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「カニ、トカゲ、コウモリが沢山出てくるけど、他の人達ってどうやってるんだろ?」
朱音が先頭を歩きながら呟く。
「なんかね、コウモリは結構みんな嫌がってるみたいよね…ついでに情報を今更だけど………トカゲもみんな頑張って川に落とす事を狙っているみたいよ。」
いくみ!!
それさぁ!!!
早く教えてよ!
「イヤイヤ、朝から言いたかったんだけど……寝坊したじゃん。忘れちゃったの……」
忘れちゃったの……じゃ無い様な重要な情報だったんじゃないの??
いくみさんなのに……
「寝坊したんじゃしょうがないわよ!寧ろトカゲも出て無いし!!」
彩希が言い切ってますが、寝坊したのはみんな一緒なのにねぇ…
然し彩希のカニを川に落とす作戦は本当に的確だったのが、今更ながら他のグループでもやっているのを聞いて実感した。
「声の主は情報は無いのが不思議ね…」
そうだ…すずかの言っている声の主…
桃がなんとなく確認したのは川の上に居た、大きなモノ…
声はなんとなく男の声だった気がするが、僕達には戦闘出来る様な状況でも無い時に、相手も敢えて攻撃をしてこなかったが……
いったい何者なんだろうか?
そして、クリスタルの時に一緒に居た他のグループ…
確かに居たのは分かった。
然し、まだ出逢っては無いのである。
こんなに知っている人達に会いたくなっているのは何なのだろう……
「キラー君、多分ホームシックよ…洞窟にずっと居るでしょ?私もウンザリだもの…」
彩希が言ったが、本当にホームシックなんだろうか?
まぁ、悩んでも解決しないし…
「そうだよね!悩んでも解決しない!!ここから離れたいんなら、頑張って出るのか死んじゃうのかの二択!!」
いくみさん?
頑張って出るの一択にしようよ!!
「なかなか出口に着かないけれど、あるみたいだからね…何処に行けるのかは知らないけれど……」
朱音〜
随分と『けれど』が多く感じますけれど……
「出口があるんなら出れるんじゃない?知らないけれど……」
桃が最後に笑うって…
「なんかさぁ……みんなで私の事を馬鹿にしてるんだけれど……」
朱音!!
流石巧いなぁ…