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「ほら、やっと出て来たわよ……強くなったからって、油断しないでよ!!」

朱音が薙刀を構える。

前方には……


「カニだね。」

桃が槍の穂先を敵に向けながら一言。


「カニはハカセと羽角君に、川へ落としてもらいましょう。毎回戦闘に集中しても、すぐに疲れちゃうから私は温存!!」

彩希が随分と我儘な言い振る舞いをしていないか?

ファンが減るぞ!!


「大丈夫!キラー君と云う絶対に大丈夫なファンが居るから!!」

なんだ?彩希???

愛の告白か???


「いえ…推してる人はそんな簡単に離れないって事の、言い回しよ……」

彩希さん??

みんなに避けられない様にね…


「さて、本当に羽角君とハカセで倒すんなら、早く前に………って、何を今更打ち合わせしてるのよ?」

いくみがハカセと羽角を見た瞬間に固まる。


「ハカセさんが右側か左側かの確認をしておかないとって…何しろ、ここが二人の見せ場だからって言われましたので…」

羽角が斧を構えてはいるのだが、まだハカセと綿密な打ち合わせをしている。


二人の見せ場って……

カニを倒すのでは無く、カニを転ばせて川に落とすのが……


「よし!これで羽角、いける!!」

ハカセが無駄に力が入っているのだが、大丈夫なのかしら??


ハカセと羽角は、前回勝利した時の様にハカセは傘型の盾、羽角は斧を持ちながらそれぞれカニの左右の脚を押しながらはらった!!


ゴロン!!


綺麗にカニはお腹を見せるのを、


「ここから!!」

ハカセの掛け声で羽角と共にカニを川へと滑らせた。


ボシャン!!


カニはあっさりと川の中へと入っていく…

流れがあるので、暫くは下流へ向かっていくのだろうか??

水の中迄は暗い洞窟では確認出来なかったのだが、今回も彩希の発案したカニの川へ落とす作戦は成功したみたいである。


「なんかさぁ……これだけ見ていると、カニって弱いんじゃない?って気分だよね。本当なら人だって食べられたりするのに、ハカセと羽角に川に落とされてるんだよ?弱く感じるんだよね…」

桃が言う通りでもあるのだが…


「桃、弱く感じるのは私達が強くなったからよ!でも……私達はカニを倒せてはいないの…逃がしているだけよ…勘違いしないで。もっと強くならないと倒すのは難しいわ…」

彩希が神妙な顔をして桃を見る。


「そうだよ!まだ倒すのは無理みたい。この後に川とか無い場所で、カニが出たら答えは出るかもよ…まだそんなに弱い相手じゃ無かったって事の…今はどれだけ戦わないで進めるのかも大切だから。」

いくみは物凄く真面目に桃に話した。


「そうだよね…桃なんか今は何もやって無いもんね…たいして役にも立たないのに、相手に向かって弱いって事は失礼か…」

桃がちょっと凹んでないか?

大丈夫か??


兎に角長い事戦闘の為に居るこの洞窟内が、一瞬でテンションが下がる雰囲気を作り出してしまっているみたいである。



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