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「こんなに気合いが入ってるのに、何も出て来ないの?!全く……」
彩希が川迄到着して、最初の一言なのだが…
気合いが入ってるのは分かったけど…
寝坊してない??
「それはみんな一緒でしょ?キラーちゃんは羽角君に起こされて、やっと起きたんだから……気合いが入っているのは、あくまでも探索に出てからよ!少しは、考えてよね!」
いくみのやんわりと…ズバッと言い切るのは流石だわ…
「あたしはメンバーの調和係じゃ無いんだから、無駄に言わせないで。」
いくみは調和係じゃ無いの?
一番巧くバランスを作ってくれてるよね?
「いくみが一番バランス取れるよ!あまりにも嫌なら僕が補助をするし……」
ハカセ?珍しいなぁ…
「ハカセが補助?珍しー!!じゃ、お願いね!!」
流石いくみだわ。
言った瞬間に押し付ける。
え……と………
「なんかプレッシャーが……」
ハカセ?
大丈夫なの??
「ハカセさん、勢いで言ったのかも知れませんけれど、いくみさんもお願いって言っているので、頑張って下さい!!」
羽角の方がハカセよりしっかりしているんだけど、羽角め…完全にハカセに任せたな…
「イヤイヤ、キラーさん!!いつも言わないハカセが頑張っているんです!キラーさんもハカセさんの力になる様に思って下さい!!」
羽角の方がしっかりしている…
暫く黙るハカセ……
「多分ね、ハカセは勢いで本当に言っちゃって後悔してるのよ。」
朱音がそれなのに嬉しそうである。
「ハカセには先頭に居る事と今回のいくみの補助で、もう少し頑張ってもらいたいわよね!」
朱音が言う通り、ハカセの先頭を歩く事は盾を持った時に既に確定だからね…
「僕は何であの時にいくみにそんな事を言ったのだろうか?」
ハカセが呟くと、
「ハカセはいくみの補助であり…私の指示で戦闘に出る………子分!!」
彩希〜
子分ってなんだよ!
彩希親分か?
「あっ!親分……カッコ悪いから却下。」
彩希が素早く否定した。
この切り替えしが出来るメンバーと出来ないハカセの差だよなぁ……
さて……
問題の川沿いは………
必ず何か出て来ないとおかしいよね……