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「キラーさん!ハカセさん!!起きて下さい!!」
久しぶりに羽角の声で目覚めた。
「ん?寝坊か??」
「キラーさん、その本当に寝坊なのです!宿屋の主人に死んでるのかと、心配されました!!」
羽角が慌てている。
そうだ、此処に来る時に聞いていたが朝にチェックアウトしないといけなかったのだ。
「まさかの、全員寝坊ってね…」
言ってる彩希も、しっかり寝坊だったのだが…
「この宿屋は朝にチェックアウトが決まっているんだよね。不便だなぁ…寝坊ってあるよねぇ〜」
桃はまだ眠そうな顔をしている…
「なんか起きないから、そのままにしていたらベッドで腐っていたんだって…臭いで気付いたから、気持ち悪くて今は朝に必ずチェックアウトみたいよ…」
朱音がそんな話しをしたが、羽角が確かに主人に死んでいるのかと思われていた訳で……
「えー!!そのベッド何処なんだろ??嫌だわぁ…腐ってたんでしょ?」
いくみが騒ぐが、
「病院だって、他の宿泊施設だって、ましてや時代を遡ればいつでも、誰かが死んでいる場所よ…しょうがないでしょ?」
何気に彩希が冷静に、いくみに説明している…
そんな時に騒がないのが、彩希っぽい……
「キラー君、彩希っぽいって止めてくれない?先っぽみたいで嫌だから…」
彩希の嫌がるポイントが時々不明…
「しょうがない!!大勢死んでる川をきょうは超えるよ!!」
いくみの掛け声がまた微妙……
「こんなに起きれなかったの久しぶりでしたね。アタシは昨日の戻ってから、彩希さんといくみさんの三人で練習していたので、絶対起きれる自信が無かったのですけど…」
小春が言った時に彩希といくみが一瞬止めようとしているのを、僕は見てしまった。
「まぁ、昨日は手応えがあったから、いくみとちょっと見てみようかって話していて、女子の一番活躍している、小春にも見てもらってたんだ!」
彩希が色々と説明している。
「…す、すい、すいません!!言ったらまずかったですか?」
小春が慌てているが…
「大丈夫だよ!ただ、戦闘の時にいきなり披露した方が主役っぽいかな?って感じだったんだぁ〜」
いくみさん?
主役なんですか?
こんな可愛い主役だったら人気出るよね!
僕が主役のつもりでいるけど……
「キラー君は、何だかんだいってさぁ……みんなが活躍すると目立たないんだよね…影が薄いから……」
彩希さん?
最後の一言は結構酷いんじゃないかしら?
「そうだよ!キラーだって、単なる女の子ばかりを見ている変態な訳でもないんだからっ!!」
桃さん??
僕の事、フォローしてくれたのかな?
余計に強力な言葉を言っていた気がするのですが…
そんな無駄になりながら、いつも通り全員生きて出発したのである……
別に誰かがすぐに居なくなるフリでは無いので、御心配なく………