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「なんかさぁ、ブシャー達が居た形跡とか情報が何も無いのよね…アイツ等どんな行動してるんだろ?」
いくみが街の道具屋から戻って来るなり、いきなりそんな会話をしてくる。
「無駄に目立つ人達でしょ?普通に何か情報が無いかって聞いても難しいんじゃない?変装してるとかで…」
朱音の変装説も一理ある。
そう…
僕達の行く場所に形跡が殆ど見当たらないのだ。
ただ、居た…と言うよりも攻撃された情報は、このCブロックに来てからようやく入手出来てはいるのだが、未だ誰にも出逢わずにいる。
それが良いのか、悪いのかは別として…
「そうよね…一応一緒にクリスタルを置いたけれど、結局は味方では無いのだから。」
着替えた彩希はいつもの様な冷静さと言えば良いのか、冷たさを備えた感じで話す。
「キラー君?冷たさ??そんな感情持って無いわよ??」
彩希のその言い方が冷たさの原点な気も……
冷たい視線が僕の心を抉ってくるので黙ろう。
「そうね、次回の敵を倒した時にはもう少し冷静に喜ぶわ……」
彩希の冷静に喜ぶのもまた分からなかった……
「そのうちみんな出て来るんじゃない?そんな事よりご飯!!」
桃に引っ張られる様に、いつもの食事場所へ向かった。
「考えてみれば、食事以外の楽しさしかやる事が無いのよね…食べたら寝るだけって…」
すずかがいつも通り、淡々と話す。
此方も冷静だ。
「他の楽しみなら、僕がいつでもスタンバイしてるのに!!」
「キラーちゃん?それは試し斬りの事かしら?下ネタを言ってるのかしら?」
いくみさん……
まぁ…………これの答えの前に、刀をチラつかせるの止めてもらいたいです…
「他の楽しみが無いと赤ちゃんが沢山産まれるんだっけ?昔のニューヨークだかの停電の時の話しみたいだけど…」
いくみが言ってるが、こるは仮説とかみたいだけどね…
一概に簡単に言い切れる問題じゃ無いよね。
「それで、キラーが作りたいのは……私以外の誰??」
朱音の一言に、僕に視線が集中してしまったよ…
これは……みんな仲良くみたいな……
「キラー君は、複数プレイを望んでいるわ…」
あの…??
彩希さん???
物凄く僕にとっての問題な発言をなされてませんか?
「やだ〜キラーって!!」
ずっと食べていて話に入って来ない桃から言われる。
しかも……隣にいる小春が…
「うん、うん」
みたいに頷いてるし…
これはね、どんな敵よりも大変だぞ!!
あー逃げる魔法とか使えたら良かったのに…
「頑張って修行すれば良いんじゃない?」
彩希が嬉しそうに僕を見ながら、食事を始めた……
困ったもんだ…
「キラーちゃん、みんな仲良くの意味をしっかり説明出来ないから、複数プレイの話しになったんだよ!」
いくみも嬉しそうに、食事を始めた……
さて……やけ食いといきますか……