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「ありがとう!!これで腕も羽根も再生出来る!!」

なんと、コウモリは自分の腕と羽根を斬られたのだが、持っていたらしい。


「じゃ、私達はこれで…」

朱音がコウモリ男の左側を通り過ぎようとした時に、


ヒュンッ!!


キンッ!!!


「危ないわね!朱音、油断しちゃ駄目だよ!!」

いくみが刀でコウモリ男の投げたナイフを叩き落としたらしい…


「残念ね…折角助けてあげたのに…」

彩希が言いながら、コウモリが先程巻いた包帯の傷口付近を刀で……

斬り落としたのだ……


「今迄、こんな事をやるつもりは全く無かったのよ……朱音を狙って攻撃した貴方は、私の抑えていたモノを解き放ってしまったわ…」

彩希が相手の返り血を左頬付近に浴びながら、相手を恨む様な鋭い目つきで睨んだ。


「彩希!ありがとう……私の油断もいけなかったのだから、さっさとコウモリを逃がしてやって…」

いつもの朱音の明るさとは全く違う雰囲気である。

凄く彩希に丁重に話している。


そう…

彩希の雰囲気が、全く違うのも確かなのだ。


「しょうがないじゃない。この前の反省からの、今回は朱音を狙う不条理な事…そうね、私もこんな事が出来るのは初めて知ったわ……」

彩希の表情がだいぶいつもの表情に戻りつつある。


「いくみがいなかったら、ってゆーか、よくあのタイミングでナイフ落としたよね!」

桃の言う通り、いくみがナイフを叩き落としたのも、驚いたのである。


「同じ、ナイフを使っていた事のある、あたしだよ!あのタイミングはちょうど良かったんだろうね。ずっと左手の動きしか見てなかったからナイフを取り出した瞬間に咄嗟に落とせたよ!」

いくみが随分と饒舌である。


ナイフを使っていたのは確かだが……たいして役に立っていなかった記憶が……


いくみからナイフより鋭い視線を感じた…


本当に僕なら完全にノーマークだったから、いくみが気付いてくれて有り難かった。


「すずかも鉈を構えてたよね!」

いくみがすずかの事も見ていた事に驚く。


「えぇ…いくみが私より凄い速さで動いたので…しょうがないから、コウモリ男の首でも落としてやろうとしたら、今度は彩希が包帯の傷口をもう一度斬り落としていたわ…」

すずかはそれでも、何方にも反応していたのか…


「間に合わないのが、私としては不本意だったけれど、彩希のさっきみたいな感情になっていたら、彩希みたいに制御出来なかったと想うわ…」

すずかの言葉に、一瞬すずかの怖さを想像したのだが…

多分彩希がやってくれて、良かったのだと思う。すずかなら首を落としていたのだろうし…


本当に今迄に無い程の一瞬の決着であった。


そしてコウモリ男は……この先の闇へと負傷箇所を悪化させながら…と、言うか元通り落としながら退散したのである……





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