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「やっぱりあのゴキブリ達は1階にいたのね。守衛の兵士達に伝えておきましょう。あと、キラー君は無闇に鉄パイプを振り回さないように。」
彩希が言うのもよく分かる。
素手で振っても何も出なかった。鉄パイプを振ったら何か出たけれど、敵もいない処で振ったら危ないかな?と、素手で振った時に思ったので、鉄パイプを振ればまた出てくるのかは分からない。
「あれ、鉄パイプに何か入れていた訳じゃ無いんだ。私の位置からはあまり確認できなかったけれど、いきなりオデコに当たった途端に相手が倒れたから……」
いくみが不思議がるのも仕方がない。何しろ本人が一番驚いたのだから。
前回同様5階に着いた。
今度、這いトカゲが出たらハカセが盾を2つシンバルみたいに叩けと朱音に言われたらしく、両手に盾を構えている。
「トカゲじゃないのがいるわね。」
彩希が見つけるのが早い。
「ちょっと待って!あれの確認できるかな?」
桃が確認している。
「ジャイアントスパイダーってダイレクトな名前が出たよ!噛まれたら毒みたい。」
桃が始めの場所だけ見てくれた。
「あと、たまに蜘蛛の巣みたいな糸出すから注意だって!」
蜘蛛の糸か………助けてくれる奴じゃないよな。
ハカセが両手に盾を構えてガシャガシャ鳴らしたけれど、これは意味無いや。
ここで、やっぱりあの鉄パイプを振ってみよう。
前回縦に振り落としたのだが、今回はいつもの石を打つように野球のバッティングの様に振った。
………何も出ない~
いやいや!!ちょっと待って!!!
「ここで、出ないって……」
彩希が構えながら此方を見た。
「縦に振り落としてみよう。」
僕は前の時みたいに、縦に鉄パイプを振り落とした。
クモ、ひっくり返ってる。
「なんか出たんだよ。やっぱりあの鉄パイプで縦に振り落とした時に何か出るんだな。クモ、ひっくり返っているし。」
どうやら鉄パイプを縦に振り落としたら出るのが分かった。但し何故出るかは分からなかった。