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「なんか今回のカニさぁ、前より硬くない?」

いくみが刀を構えながら何気なく言ったのだが、


「いくみさん!やっぱり硬いですよね!!僕の斧で少しはダメージを与える事が出来ると思ってたのに、ノーダメージだったので…」

羽角が饒舌になる。


「やっぱり硬いんだ…私の薙刀で払った時に当たりどころが悪かったのかと思ったけど、硬いって分かれば……」

朱音が言いながら僕を見た。


「火を一旦浴びせてみようかねぇ…」

僕が鉄パイプでいつも通りに火を放った!!!


「あ〜やっぱり、あの甲羅燃えないよね…煮るしかないのか…」

桃さん?

やっぱり食べようとしてますか??


「大丈夫!美味しそうに見えないから!!」

桃の回答には分かりやすい。


「どうしようか…何気に勝てないんじゃない?」

言いながら彩希が妖艶な笑みを魅せる。


なんでこんな場面で笑うんだ?


「当然作戦があるからよ!」

彩希!!

それを早く教えてくれないと!!


「大丈夫!僕と羽角が彩希から聞いたから!」

ハカセが言いながら傘型の盾を構える。


何なんの?

この人達!!

僕は火の魔法が効き目が無くてショックだったのに…


「キラーさんにだけいつも頼っていてもこんな時もあるんですから!」

羽角がハカセと同じ様に斧を構える。


ついでに、どんな作戦だかを聞かせてもらいたかったのだが、ハカセと羽角の視線は早くもカニに向いている。


「じゃあ、羽角!そろそろやろうか!!」

ハカセが嬉しそうに羽角に話す。


いつもの彼等とは全く違う落ち着きがあるのは何故だろう。


「当たり前ですよ!彩希さんが提案してくれたんですから!!」

羽角も嬉しそうに僕を見た。


「何気にあたしも彩希から聞いて無いんだよね…早く倒しちゃいなよ!」

いくみが楽しそうに二人に言う。


「じゃあ、羽角!!」

ハカセが羽角と共に左右に分かれてカニに向かって走り出した。


ガン!


ハカセの傘型の盾と羽角の斧がカニの両足を後ろへ押したのだ。


ゴロン!!


「あっ!カニがひっくり返った!!」

桃の言う通りなのだが、まだ二人は作戦を遂行しているみたいだ。


傘型の盾をハカセが使用している意味がここで分かった。


ハカセと羽角は倒れたカニを川に向けて払ったのである。


スルスルー!!


カニの甲羅がスムーズに滑り、川に落ちた。


「サメは出て来ないみたいね。ハカセ、羽角君!どうよ!!私の作戦は!!」

彩希が嬉しそうに二人を見る。


「彩希さん!ありがとうございます!!まさか、こんなにスムーズに事が進むとは思いませんでした。」

羽角が言う通り、カニをやっつける事しか考えていなかった僕の頭を彩希の作戦ではカニを川に落とすと言えば良いのか、川に流すと言えば良いのか??

斬新な作戦だった。


「勝ちは勝ちだよね!傘型の盾がようやく役に立つ時が来たよ!!」

ハカセも嬉しそうだ。


「硬くて厳しそうだから私もハッと気付いたから、すぐに二人に言ったのよ…失敗したら二人の責任にしようとしてたけど!!」

彩希……


「えー!!!」

そりゃ、ハカセも羽角も驚くわ…

声が揃って出てるし……



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