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いつも賑やかな食事なのだが、今回は更に賑やかな食事だった。
「いくみ、桃…心配させちゃってごめんね。もう大丈夫だから!!」
「彩希がそんな事でお礼を言うのは、まだまだ食事が足りないみたいだね!!」
桃が言いながら、彩希に肉を渡す。
「桃〜あたし、見てるだけでお腹いっぱいで気持ち悪くなるけど…」
いくみが桃が彩希に渡した肉を見ての感想である。
勿論僕も同調だ。
「しょうがない…桃が私の弱みに突いてくるから…」
言いながら、彩希が肉を食べだす。
「完食!!!ほら、桃!!!もうねぇ…弱ってたらこんなに食べるなんかできないんだからっ!!」
彩希が全部食べてしまった…
桃が渡した肉の重さ……
推定1キロ程の重さはあったぞ?
その前から、ずっと食べていたのに…
「明日彩希が動けなかったら、桃の責任だからね!しっかり守りなさいよ!!」
なんと……すずかに言われてしまうという…
「はい…」
素直に桃が頭を下げた。
「彩希さん凄いですね!多分きょうだけでも3キロは食べてないですか?」
小春が驚きながら彩希の顔を見た。
「そうね…体育会系のノリって私凄く嫌いなんだけど、桃に強制的に肥らされてるわ…」
彩希が笑いながら小春に言ったのだが…
「羽角君、デリカシーの無い視線は何よ?!」
彩希がすかさず羽角に言ったのだ。
「イヤイヤ!すいません!!彩希さんが細いから……あの……お腹に………」
羽角が口ごもる。
「キラーちゃん!羽角君にちゃんと教えてあげてよ!!」
いくみがいきなり僕に羽角の教育係みたいな事を言う。
「そうだよ!羽角!!女の子が食べ過ぎた!!って言ってるのにお腹見ちゃ駄目だぞ!!顔だけ見て喜べ!!」
「すいません、キラーさん………最後の顔だけ見て喜べってのが、僕にはよく分からないのですが……」
すかさず羽角から質問が来た……
「羽角〜キラーのボケを真面目に取るから、キラーが恥ずかしい想いをしてるみたいよ…」
朱音さん?
そこまで言われた方が更にダメージが大きいのをご存知でしょうか??
「キラーが言ってるのは同感だと僕は思ってたのに…ボケたの?」
ハカセ君?
君は傷口をえぐるパターンか?
「あっ!ハカセはエロい事を想像するから、ハカセは食事だけ見てて…」
桃さん??
ハカセのハートにも『ドキン』じゃなくて、『グサッ』と刺すのかよ…
「これだけ騒げば、明日は川より先に進めるみたいね。ちゃんと食べたからスタミナも付いたでしょ?」
いくみに言われて、ようやく明日の目標みたいのができたのである。
さて……その先には何があって何が居るのか??