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人それぞれなのだが、僕達はこの冒険ではずっと話をしている。


僕としては沈黙が不安なのだ。

しかも、ライトは点いているのだが、薄暗い洞窟の中で黙々と歩いているのは不安だろう。

仲間たちも共に同様の考えというのか、感じ方をしてくれているので、賑やかな雰囲気をいつも保っている。


のだが……


「なんだろうね、この後味の悪い雰囲気…」

彩希が前回でのまま…

あれからそれ程まだ歩いてもいないのだが…と、言うか未だに川沿い歩いているし…

やはりメンタルが……


「しょうがないよ!彩希も普通に女の子だって分かって良かったよ!!」

桃が彩希を励ます。

勿論彩希の今までの冷たい感じからは、それ程落ち込んだりする事は珍しいので僕達もその感じには驚いている。


「あまり今の状況で、彩希の事を冷たいとか言わないの!」

小声でいくみが僕と桃に言う…

まぁ勿論の事か…


「そんな事より……」

先頭を歩く朱音が立ち止まりながら、前方に視線を送る。

そう……先程のとは違うが同じ種類のカニが出て来た。


「こんな時に……出てくるなよ!!」

ハカセが前方に居たカニに向かって、傘型の盾の尖端で突き刺した。


細かく言えば、ハカセの傘型の盾は前方を槍みたいに尖らせてあり、刺す事も出来る非常に一般で真似しちゃ駄目なアイテムなのだ。


その尖端がカニの腹部に突き刺さる。


「うわっ!ハカセさん珍しく攻撃した!!」

羽角が驚きながら斧をカニの右側のハサミを叩いた。


ガシュッ!!!


鈍い音はしたが、勿論斬り落とす事は出来ていない。


「しょうがない、彩希が嫌がるから!!」

いくみが羽角が叩いたハサミの箇所を


ザンッ!!


「うわっ!いくみ!!斬り落としてんじゃん!!」

桃が言う通り、なんといくみがカニの右側のハサミを根元から斬り落とした。


「あらら……あたし、こんなに出来るなんか思ってもなかったのに!!」

いくみが自分でも驚くって…


「一番槍〜」

全然一番じゃない桃の槍がカニを……

なんと!!

刺さないで川に突き落とした。


「あら!!桃は刺したつもりだったのに!!」

桃が少し残念そうな顔をしているが、カニが川に突き飛ばせたおかげで、無事に戦闘は終わった。


ザバン!!!


「えっ!!」

朱音が川を見た瞬間に、彩希の顔を右手で川から逆側に向けてさせた。


「大丈夫よ!朱音、ありがとう。」

彩希が川の様子をジッと見る。


その光景とは……


サメが川に落とされたカニが一口で食べてしまったのだ。

どんな川なんだよ…


「結局、食べられたり食べたりするのがこの川の決まりなのよね……」

彩希は自分にも言い聞かす様に呟いた。


「でも……」

いくみが、ハカセの顔を見ながら


「まさかハカセがいきなり攻撃するとは思わなかったわぁ!」

いくみが言う通り、本当に予想外の攻撃であり…

僕なんか驚いて、何もしないで戦闘が終わってしまったよ…


「イヤイヤ、キラーちゃんは頻繁にそんな事しかだから!!結構みんなが頑張っている時に見てるだけだよねぇ〜」

いくみが少し嬉しそうな顔をして彩希の顔を見ながら


「やっぱりさぁ、キラーちゃんは彩希の指示で動いてるから、こんな時は役立たず!!」

いくみが彩希のフォローに回ったのだろうけれども……

僕にカウンター攻撃が………



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