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さて……
ずっと無駄話ばかりの中で、先頭を歩く朱音とハカセの歩みが止まった。
「あまり見たくないのが、こっち見てるよ…」
朱音の視線の先を追うと……
以前遭遇した時よりも、ガッチリしている気もするが……
あの、紫色の大トカゲである。
鱗が全身を覆っているのだが、前回はその為に火の魔法は通用しなかったのである。
「多分さぁ……もう少し大きくなったら、ジャンルが恐竜になるんじゃない?って事はさぁ、トカゲ程度ならすんなり勝ってないといけないんだよね…」
桃が何故か恐竜と比べている。
「桃、なんで恐竜が出て来るのよ?トカゲと恐竜じゃ違うのだろうけど、なんか恐竜の情報でも聞いたの??」
彩希が不思議そうに桃にたずねた。
「あっ!桃と小春にだけ教えたんだけど…普通に肉食の恐竜が色々な場所に居るみたいよ!」
いくみさん?
大切な事だろ?それ??
なんでみんなに教えてくれないのよ!!
「何となくさぁ……恐竜って現実離れしてるじゃん!前に大きなタツノオトシゴは見たけど、あんな感じかな?って、思って……まぁいちいち言わなくてもそのうち出て来るだろう!ってねぇ〜」
言いながら桃と小春が頷く。
「結局、戦闘になる時は倒さないといけないのですから、皆で変に身構えるよりは自然体で……みたいな感じで!!」
小春がいくみの意見に同調するのと同時に『感じ』みたいな言葉が伝染しております。
「……そんな話をしていても、答えが分かったから……トカゲの倒し方の正解を出しましょ!!」
彩希が話をバッサリと切り落とした。
ついでにトカゲも切り落としてくれないかな?
「あっ!キラー君、それはあの鱗で無理!!」
彩希が一撃で言い切った。
さて……
前回より大きなトカゲをどうやって倒さないといけないのか?
……誰も正解を知らないみたいだ………