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「キラーさん、ハカセさん!そろそろ起きますよ!!」
羽角に言われて、僕とハカセはダラダラと起きた。
電気は点いているのだが…
起きても…朝日は無いのだ。
「洞窟ってさぁ……住む場所じゃ無いよね…時間も何も感覚が鈍るよ…」
ハカセの言う通り、本当に今更なのだが、此処での生活に不満が出てきた。
「えー!!ハカセも同じ事言ってたの??なんか、同じで嫌だ……」
朱音が最初に僕が教えてあげた事に、不満が……
なんで不満を増やしてるんだよ!
「あら……昨日私達もそんな話をしていたのよ…ハカセは鈍いから大丈夫だと思ったわ…」
彩希が同じ事を……
しかも間接的にハカセに攻撃してないか?
「ホントさぁ、よくこんな場所に住んでる人達が居るよね!だってさぁ、『朝だ!』とか感覚が無いんだもん!!」
桃も不満が出てきたか…
「それじゃ、早く出口に向いましょ。あるのは聞いているから、出れるんじゃないの?」
すずかが淡々と言う。
「そうね!出口はちゃんとあるみたいよ…既にこの洞窟に何故入らないといけなかったかは分からないけど…」
いくみの言う通りだ。
火の玉がこの洞窟に入って行ったのは確かな事で、少なくとも共にクリスタルを翳した、オオチマイの一味が来ている事は確実なのである。
しかし……
今迄洞窟探索をしていながら、未だに出会ってはいない。
一時期は完全に敵だったのだが、今となっては逢いたい気持ちも出てくる。
「えっ!?聞いた?小春ん!キラーはさぁ、シノメノちゃん狙ってんじゃない?」
「えー!!桃ちゃん……キラーさんって…そんな趣味があるんですか?」
あの……桃さんと、小春さん?
僕はシノメノを狙っておりませんよ!!
「だってさぁ…幼女趣味も困るわよね…」
桃さん?僕の事、特殊な趣味の人物として思わないでもらいたいのですが…
寧ろ美人なサーシイドの方が……
「あんな露出がやっぱりね…」
彩希さん?
いくみさんも、うんうん頷くの止めていただきたいのですが…
これは完全に逃げ道を失ってるな…
「大丈夫だよ!キラーちゃんは常に変態だから!!」
いくみさん?
全然、僕は大丈夫じゃないみたいなのですが、気のせいでしょうか??
「キラー君が色々な御趣味をお持ちなのは、重々承知の上で話しておりますので、お気になさらずに……」
彩希までかよ!!
困ったメンバーだな…
無駄話をしながら、いよいよ街を出て行くのである。
絶対に探索する態度では無いよな……