198
相変わらず食事の時は全員の無駄話しが飛び交う。
今回は特に吸血コウモリが強かったのか?が、話題になっていたのだが……
「えっ!?君達も遭遇したのか?」
隣の席から見知らぬゴツいお兄さん達が話しかけてきた。
「うん!なんかナイフ投げてきたのをクリアして、こっちが攻撃したら飛んで逃げたよ〜」
桃がそんな気軽に返事をする。
実際、流れ的にその通りなのだし。
「なんだって?誰も怪我していないのか??此方は怪我したヤツが血を吸われたし、強くて逃げるのも大変だったが…」
道具屋のオッサンと同様に、驚いている。
「吸血コウモリって何人か居るんでしょ?一番私達の相手は弱かったんじゃないかしら?」
彩希が何でそんなに驚かないといけないのか?と、怪訝そうな表情で答えた。
「何人も居るみたいが、奴等は全員戦闘集団だぞ!!君達……相当手練れのグループなんだな…昨日も此処で、見ていたがやはり強いグループしか残っていけないのか…いや、邪魔をした。これからも無事でいこう。」
お兄さん達が少し残念そうな表情で僕達を見回して、自分達の座席に戻った。
「そんな訳で、どうやら本当に強いらしいよ…なんかこのCブロックに入ってから私達も完全には倒してないもんね…」
いくみに言われる通り、相手は毎回逃げている。
でも……今迄もこの洞窟では基本的に虫しか倒していないのであるが……
蛇は僕達が全力で逃げたし。
「あ〜蛇、居たよねぇ…普通のお話しだったら、蛇と戦うよね…全力で逃げるって、普通ありえないし!」
朱美が言う通り、勇者達は戦うのだろう……
が!!実際あんなの出てきたら、分かるけど……どう見ても勝ち目無いって!!
サメ然り、ガーゴイル然り…
なんとかカニは攻撃できたけれど……
「私達って見た目がキラキラしているから、弱く見られがちだよね…女の子は……」
彩希が言いながら、僕とハカセと羽角を見る。
「男性陣が守ってくれそうな顔つきじゃ無いのも、弱く見られがち〜」
桃が併せてきたし…
自分達はキラキラなのかよ!
「そうよ!チャラチャラじゃ無いでしょ?キラキラよ!!」
いくみも併せてくる。
「キラキラとオドオドした男性陣の組み合わせだから、弱く見られるのか…」
朱美さん?
僕達、オドオドしてますか??
「キラー君はオドオドしてないわよ…ズケズケしてるけど…」
彩希さん?
ドンドンと酷い扱いになっている気がしますが……
「そうだよね!普通のメンタルなら、色々言われて凹むけど、みんな大丈夫なんだよ!そりゃ、強いわ…」
いくみさん?
それで、改めて強いのを認識してますけれど……
メンタルは強くないと毒しか放って来ないからねぇ…
彩希の鋭い視線を感じたのをスルーして、肉を頬張った。