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「貴方……そうね、そこのコウモリみたいな人…貴方、弱いんじゃないのかしら?」

彩希が本人にズバッと言い切ってしまう。


「何を!!私がそんなに弱いとでも思っているのか?!バカめっ!!」

いかにも悪者みたいな言い方をしているのだが…


「あら?随分と動揺されてるみたいですね…彩希の呼び方に訂正が入らなかったわ!!」

いくみも抜かり無しだな…

確かに毎回吸血コウモリと訂正していたのに、今回は訂正もしないで返答していた。


「そんなの、たまたまだ!私は、吸血コウモリだ!!貴様等とは比べ物にならないのだぞ!!」

なんか徐々に会話が押され気味なのが、判る……


と、その瞬間にコウモリの羽根が……


バサバサ!!!


羽ばたくと同時に後ろ側に向かって飛んで行ってしまったのである………


「あら?」

彩希が呆気にとられた顔をしている。


「あらら……」

いくみもボケっと相手が飛んで行った方向を見ている。


「要は……逃げたの??」

朱音が半笑いである。


「アタシ、翼に穴開けちゃいましたけど一応飛べるんですね。」

小春は安堵した表情で僕を見た。


「見えなくなっちゃった……結局何がしたかったの?」

桃が遠くを見ながら、真っ暗な洞窟の前方を見ている。


「血が吸いたかったのに、思ったよりも不利な状況から、逃げたんでしょ?どうせなら、翼を切り落として売店に売ってみれば良かったわ…」

すずかさん?

なんか物凄く物騒な事言い出してませんか?


「本気よ…カニのハサミだけよりマシでしょ?小春が穴開けたけど、ある程度売れそうな感じだから…」

すずかは完全に勝利後の行動に入るのだ。

客観的にみれば、なかなか怖いぞ?


「良かったわ…話しの分かるコウモリで…」

彩希が言いながら、ホッとした表情をようやく見せた。


「ホント!あれさぁ、飛べるから厄介だと思ったのよ!!なんだかんだ言って、キラーちゃんの火も消してるからね…」

いくみの言う通り、僕の火の魔法は殆どダメージになっていない気がした。

寧ろ小春の弓矢のおかげで、コウモリ男は退散したのかも知れない。


「彩希さんや、いくみさんの話し方で相手に余裕を無くしたのは正解でしたよね!何気にナイフを投げるから僕は両手をずっと見てました。」

羽角があの時ナイフを躱したおかげと言うのも十分有った様にも思えた。


「本当に戦闘モードになっていたら、全員無傷じゃ無かったよね!彩希が明らかに相手を下に見た戦法って、イザ自分がやるにも勇気要るわぁ…」

朱音が感心した表情で彩希を見た。


「私だって頭の中で色々話しの流れを思い浮かべながらだったから、いくみと朱音のサポートのおかげよ!」

彩希の言う通り会話の流れを完全に掴んで離さなかったのが、相手の退却に到達出来た訳で……


「やっぱり、戦闘って難しいわよね…いきなり強くなんてなれる方がおかしいわ…」

彩希の言う通りである。


僕達の戦闘力はまだまだ低いのは、今回の対峙だけでも露呈している気がする…


「キラーちゃんが居るから、なんとかなるよ!」

いくみの言葉にまた……これは……プレッシャーが物凄く重くのしかかる気がした。



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