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「お前等!!話しの途中とかに汚いマネを!!」
身体の火を羽根で、叩いて消した吸血コウモリが、遂に怒りの表情を見せた。
「それ、最初に貴方が攻撃してきたのよ?私が気が付かなかったとでも思ってた??」
彩希が言ったのだが、いつ攻撃してきたのよ?
「キラー君、気が付いているかと思ってたのに…鈍感ね…話している時に何気なくアイツナイフ投げてきたのよ…羽角君が斧をちょうど動かして、それに当たったから被害は無かったけれど…」
彩希がそんな事を見ていたのか!
そして、羽角も!!
「僕は会話に入るタイミングが無かったのでずっと彼の手の動きだけを見ていたのです。そしたら、急に投げたから斧で軽く当てて避けたのですけど…まぁ何気なく動かした感じにしたので、彩希さんがそれに気が付いて、キラーさんに火の魔法をお願いしたみたいですね…」
羽角がそんな動作をしているのも気が付かなかった。
「羽角君、一つ間違いがあるわ……キラー君にお願いじゃなくて、命令よ!これは大切な事だから、ハッキリさせておかないと!」
彩希さん?
それ、大切ですか??
全く……この緊迫している雰囲気の中で……
「オイ!!そこの変な帽子!!!妙な事しやがって!!」
羽根の人が怒っております。
「ホラっ!変な帽子!!!言い返してあげなさいっ!」
こら!いくみ!!緊迫してるって言ってるだろ!!!
よくこの雰囲気の中で、あんな事言えるよ…
「どうやらコウモリさんは意外にもナイフの使い手みたいね…」
朱音が言いながら薙刀でナイフをはらう!!
「イヤイヤ!羽根も朱音もよくそんなの防げるわ!」
僕は全然見えていないのだが、二人は平然としているのである。
「あの……」
ん?小春、どうした?
「アタシ、朱音さんがナイフをはらったタイミングで弓を放ったんです。右手の後ろの翼……」
小春の指差す場所にコウモリの羽根が丸く穴が空いている。
「あー!!!貴様等!!!」
コウモリが今、気が付いたらしい…
「もしかすると……弱いんじゃない?」
いくみが少し笑みを魅せながら刀を構えた。
「いくみ、それは言ってはいけない事よ…たとえ弱くても、私達の前に居るのだから…」
彩希が………たとえ弱くてもが随分と響く声で言っていた気がしますが??