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「それで、コウモリ吸血さんは何か用事が私達にあるのかしら?無ければさっさと先に進みたいのですが…」

彩希が言うと、


「私は吸血コウモリだ!用事?当然、血を吸う為に出てきたのだ。見れば分かるだろ?」

なかなか名前に拘りがあるみたいのを、彩希がわざとあんな呼び方をしている。


彩希は常に自分を平常心に、相手の心理を上手く突いてくる。

なるべく戦闘にしない為の意外な抜け道を探っているのだろう。


「ちょっと〜聞いた?血を吸うから出てきたって!!」

桃が小春に言うと、


「変態かしら?アタシそんな趣味ないから嫌だわぁ…」

小春も敵を前にそんな言い方しているし…


「でしょ!あたしもさぁ、暗闇から出てきて血を吸わせろ!って、変態だと思ったよ!自分がいかにも正しい!みたいな言い方してるのが……おかしくない?」

いくみ迄……


この会話だけでも、リハーサルとかしているのでは無いのか?みたいな間髪入れずにトークが進んでる。


「本当に、暗闇から出てきて血を吸わせろって……痴漢と一緒よね…よく今迄そんな事言って、相手が引かなかったものね……私なんか今、ドン引きしてるけど…」

すずかに淡々とこんな事言われたら、違う意味で喜んでる人が居るかも知れないが、普通は凹むぞ…


「では、私はやはり君達を弱らせてから貰うしかないみたいだな…死なれては不味くなるのでな…」

コウモリ男が身構える。


「コウモリ男では無い!吸血コウモリだ!!」

また…

僕のは完全に言い間違えただけだぞ!?


「またさぁ……その変な言い方が変態に輪をかけて気持ち悪いよねぇ…」

彩希が再び相手の気をそらす。


本当にこのメンバーは流れを上手い具合に作っていくな…


「これで、可愛い子しか吸わないとか言ったらまた嫌よねぇ〜」

いくみが更に追い討ち…


「ハカセの血が一番ボリュームありそうだけど!」

桃が笑いながらハカセの顔を見る。

しかし桃の槍は、しっかりと相手に穂先を向けている。


「桃ちゃん!男性の血しか吸わないって言われても、アタシ的には嫌な……ってよりも、そんな趣味の人?みたいな……」

小春も流れを上手く作っている。


……「キラー君、完全に戦闘にはなるからね…タイミングをみて、火の魔法をお願い!」

物凄く小声で僕の耳元で彩希が囁いた。


「それで怪人コウモリさん、男しか吸わないのかしら?」

すずかさん?既に『吸血』すら抜けておりますが……


「いいか!私は吸血コウモリだ!!いい加減にしろ!」

コウモリさんがいよいよ苛つきだした。

コウモリさんじゃないか…吸血さんか……



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