表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
452/575

192



「……随分と騒がしい人達だな………」

川の流れの音と一緒に聞き慣れない男の声が聞こえた。


「えっ?!キラーちゃんなんか言った?」

いくみに言われたが、勿論僕の声では無い。


「キラー君の声だったら、そんな渋い声は出ないって!」

彩希さん?

まぁ…そうですけど、今はそんな事言ってる場合でも無いでしょ??


前方の暗闇からバサバサと音がしたと思ったら、人みたいな…でも翼を両側に持っている者が出てきた。


「あ〜、うるさいのは君達かね?あまり洞窟内で楽しそうにしないでもらいたいものだな…」

真っ黒な翼をもつ男の声の主の顔は……

コウモリみたいな顔をしており、口には……牙が二本!!


「えー??ドラキュラ?吸血鬼??そんなの居るの??」

朱音が槍を構えながら言うと、


「私は吸血鬼では無い!!鬼では無いからな!!吸血コウモリだ!!」

男が言い切る。


「なんか噂話で聞いてた吸血コウモリとビジュアルが違うんだけど…しかも、人みたいな格好しているのに、自分で吸血コウモリって言い切るのも変だし…」

いくみが今回向かう前に言っていた吸血コウモリの想像とは、僕の頭でも全く異なっていた。


男は身長2メートル位はあるのではないか?痩せ型の普通に両足で立っており、両手もあるが、背中部分に翼を持っている。

今は微妙に畳んでいるが広げれば片側1メートルは軽くありそうな感じである。

そして、鎖帷子みたいのも着ているのだ……

顔は完全にコウモリみたいな感じなのだが、いったい何者なのだか??


「吸血鬼のコウモリバージョンみたいな感じなんじゃないの?」

桃の言葉に、

「違うよ!コウモリの吸血鬼バージョンでしょ!!」

彩希の謎の反論。

でも、コウモリの吸血鬼バージョンの方が言える気もする…


「私は吸血鬼では無い!!鬼では無いからな!!コウモリである。変な間違いをするな!!」

何故か鬼を嫌う奴だな…


しかも、普通に会話が出来るのも良く分からない。


「もしかして、血を吸われたらそんな姿になるの?嫌だわぁ…」

怪訝そうな顔をして朱音が相手の顔を見る。


「吸血されても私の様な姿になる筈ないであろう。蚊に刺されて、自分が蚊になると思った事があるのかね?」

なんか凄いもっともらしい例え話を持ってくる奴だな…


「だってねぇ〜よく吸血鬼に吸われたら、吸血鬼になるって言うし!!」

彩希がそんな例え話を持ち出す。


「フッ……だから、私は吸血鬼では無い!!吸血コウモリだ!!間違えるな!!」

随分と吸血鬼と言われるのを嫌う奴だな…

種類が違うのだろう。


さて……この、状況から僕達はどうすれば良いのか?

全く先が読めなくて困る……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ