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「ところでキラー君……貴方何故毎回傍観者なの?」
彩希さん??
なんだ?その漢字だらけの感情表現は?
「全部簡単な漢字でしょ?言葉で言っているだけなんだから、読めないとか謎な事言わないでよ!!」
彩希が僕の傍観者モードを問い詰める。
「簡単に言ってしまえば、魔法が効かないと思われる相手に無駄に魔法を使っても意味が無いんじゃないかと…」
僕の話しの途中で、いくみの鋭い視線も飛んできた。
「それで、イザって時の為にこの……石を打とうかと考えてはいるのよ…でも、タイミングで火の魔法の方が良さそうな場合しか出てこなくて…」
僕は正直に現状の戦闘への動作を話した。
「しょうがないよね!それでも毎回キラー頼りってのは確かなんだからっ!」
朱音〜
ありがとう!!
思いっきりハグしたいが、一発で嫌がりそうなのが脳裏に過る。
当たり前か…
「えーと……気のせいかな?私達のメンバーって、基本的に補助しか居ないのかしら?本当に今更なんだけど……」
いくみが、本当に今更感満載の事を言い出す。
「……敵を前に言うのもなんだけど、私達のメンバーは攻撃のメインが居ないわよね…本当に今更だけど……」
言いながらすずかが呆れ顔である。
「基本、逃げるのメインだから……」
彩希が笑いながら僕を見た。
何かを期待してるでしょ?
「うん!!」
なんだよ!
その素直な彩希の返事は…
ちきしょー!!
いつもより可愛く見えるぜ!!
言いながら僕は
「ちょっとみんな離れていて…」
と、全員を僕の後ろ側にして……
鉄パイプを縦に3回振った。
その後に野球で言えばアッパースイングみたいな、フライを打つ感じで、下から上に向かって振った。
ドンッ!!
フラッシュの様な光と共にカニが倒れた。
「何?今の??」
桃が呆気にとられている。
と、言うよりも…誰も動く気配が無い。
ただ……見ている…
倒れたカニを全員がただ見ているのである。
「あっ!これが自主トレの成果、雷の魔法!!」
僕はみんなに説明した。