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「普通のグループってさぁ、勝つって事は倒したって事なんだろうけど、私達ってそれに比べたら倒して無いよね…」
「何か?桃が倒してくれたら、別にいいわよ…私は無理だけど……」
「彩希〜桃も無理だよぉ…よくゲームとかだと、倒したら何か貰えるとかあるでしょ?そんな感じの事なんだけどね…」
「桃〜ゴキブリとか蜘蛛とかクワガタで倒して貰っているじゃない!だいたいねぇ…世の中宝箱持っている敵なんか100パー居ないわよ!!」
いくみが言い切った。
紫色の大トカゲを無事退散させて、いつもの様な反省会の様な、次回への目標会みたいな会話をしながら先に歩いている。
「ところで、敵が強いのは分かりやすい程分かったけれど、本当に鉱石とかあるのかしら?」
朱音が言っているのは、以前にCブロックには鉱石があるという噂話を聞いていたからである。
「それね……売店で少し聞いてみたけれど………」
彩希が鋭い視線と、美しい唇から……
「あるのよ…」
彩希がなんでそこを引っ張って言ったのかは、何となく分かる。
「そうなんだよ!あるのよ!!ちょっと見せてもらったけれど、本当なのよ!!」
いくみは妖しい雰囲気を出さないで、ほんわかしていりんだよなぁ…
「キラー君、いちいち私達の態度に興味と下心で見てないでよね!」
彩希に当然の様に見抜かれる。
まぁ、今回はバレやすいか…
「ついでに私からも情報を一つ。」
急にすずかが改まった雰囲気で言う。
「噂話で、子どもみたいな女の子と物凄い美女がケンカしながら、あっという間に敵を倒したって話を聞いたわ…」
「すずか!それって、シノメノちゃんとサーシイドの事じゃ…」
「桃、勿論そうでしょうね。今迄全く足取りが分からなかったのが、やっと此処に来て情報が出てきたわ。」
すずかが少し安堵した表情で全員を見回した。
シノメノとサーシイドはスタシスの洞窟で僕達も敵対して、シノメノに僕は負傷した経験を持つ。
あの子どもみたいな小さい子とセクシー姐さんのサーシイドである。
プリサイスタワーでは共に水晶を併合させたが、それからの行く方は一切分からなかった。
「よくそんな大変な話をすずかは今迄黙っていたよね!びっくりするわ…」
「いくみ、皆んなが色々と話しが進むからタイミングが見当たらないのよ…私達は下手するとずっと話しているから…」
大人しいすずかにしてみればタイミングなんか無かっただろう。
そんな僕達メンバーのマシンガントークである。
一部メンバーのみだが………
「でも、やっと此処に来ているのが分かっただけでも有り難いわ。今迄は疑問しか出なかったから。」
彩希が言う通り、他に見た人達が居ないので不安は若干でもあったのは事実だった。
彼女達を見た人達が居るのなら此処で正解なのだろう。