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「そもそもさぁ……」

桃が急に大きな声で言い出した。


「すずかの提案は正しいのよ…ひっくり返したら、キラーの火じゃなくても……斬り込めるんじゃない?」

桃の言う通りな気もしますが……


「桃……それじゃ、内臓出てきたりして気持ち悪いじゃない。私はトカゲに売る場所は無いと思ったから、さっさとキラーに燃やしてもらいたいのよ…それか………」


すずかさん?それか??


「相手がそそくさと逃げてくれないかしら?って思うわ。」

すずかの言いたい事は伝わりました…


「あ〜あたしもそんなに腹わた裂いたりするの嫌だわぁ…」

いくみも同調した。


「じゃ、そんな事だから……キラー君、ひっくり返したら火の魔法よろしくね!相手も逃げるかも知れないし。」

彩希が遂に丸投げの作戦……


「じゃあすずかの言いたい事も分かったから、朱音と桃でひっくり返してみるよ!」

桃の新しい槍もいよいよ日の目を見るのか!


「桃、お互いが別々の方向にはらうとペチャってなるだけだから、右から左に向かってはらうよ!」

朱音がそんな作戦を桃と話す。

ペチャって、こんな危ない時に随分可愛らしい表現だな…


「ほらっ!またキラーがニコニコしてるから、朱音!変な事言ったら駄目だよ!」

桃のチェックが早いって!!


そんな事を言いながらも、桃は槍を朱音は薙刀を構えながら徐々に紫色の大トカゲと距離をつめていく。


「桃と朱音は脚をはらったらすぐに後ろに下がって、ハカセと羽角君に任せて!そしてキラーちゃんが魔法をぶつければ、おしまいな筈だから!!」

いくみの指示は理解できた。


「桃、いくよ!!」

朱音が言いながら桃と共に薙刀と槍でトカゲの前脚をはらう!


ザシュ!

と、鈍い音はしたのだが………


トカゲは一瞬向かって左側によろめいたのだが…


「あっ!倒れないや…」

朱音は言いながら、ハカセと羽角に先頭を譲る。


「桃!早く下がる!!」

いくみの声に、桃もハッと気付いたみたいに下がった。


「朱音さんと、桃ちゃんのおかげで狙える!!」

小春は言いながら弓矢を放つ。


ちょうど向かって右側の前脚、つまり左前脚を朱音と桃で負傷させていたみたいだ。

小春はその負傷箇所に向かって弓矢を放ったのだ。


「キラーさん!刺さりましたので、弓矢に火を!!」

小春の指示に僕は全てを理解した。


ボンッ!!


と、弓矢は火で燃える。


しかし、流石の大トカゲである。倒れる事はしないで火を長い尻尾をぶつけて消したのだ。


「大丈夫…勝てたわ……」

彩希が刀を構えながらだが、大トカゲが尻尾で火を消しながら背を向けて下がって行くのを見ながら呟いた。


「えーと……全然想定してない事しかおきなかったけど……勝ったんだ?」

桃が呆気にとられる表情で全員を見回す。


「相手が逃げるのが理想だった訳だから、勝ちよ…想定はあくまでも、想定……何も正解していないけど、最後に正解が出たら大丈夫、過程より結果を出した方が正解。」

すずかが難しい事を言いながら、自分自身に納得をさせている様にも感じる。


「本当よ…私の頭で考えていた展開なんか全く役にも立たない事が分かったわ…」

すずかはそんな事を言うが、ひっくり返す事を提案したのはすずかな訳で、その提案がなければ物事も進まなかったので、全くって事は無いと思う。


「えぇ…アタシはトカゲの脚の怪我が見えた時に自然と思い付いたので、すずかさんの提案のおかげだと思います。」

小春の弓矢の精密なのは以前から思ってはいたのだが、今回は尚更凄いと思った。


「相手が近くに来たので、なんとか狙えました。自主トレでずっと同じ場所を狙う練習の成果が出ました!」

小春は嬉しそうに話す。


「桃の槍が三叉にしたのは正解だったみたいね!私の薙刀だけじゃ負傷させるのも無理だったと思うもん!」

朱音は言ったが、細かく見ると朱音が最初にはらったタイミングでその脚に向かって桃は叩き付けて負傷させたらしい。


そんな事を桃は言っているが、興奮気味に話すのでなかなか話しがまとまらなくて、要約してしまった。


「一応勝てたわね…先に向かうわよ……」

彩希が言ったが、今戻っても何もないからね……

行くしかないみたいだ。



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