172
食事代をある程度覚悟していたのだが、全然街と同じ金額で驚いた。
「ほら!富士山価格とか、スキー場価格とかあるけど良心的な価格で良かったわ!」
朱美が会計から戻って来て物凄く喜んだ。
「流石にここなら若干高いのは覚悟するわよね…」
すずかも朱音と一緒にお会計に立ち合っていたので、ホッとした表情である。
「宿屋はちゃんと聞いてるから……でも、安いよね…」
いくみも流石に金額にシビアになっているのは、毎回いくみが物品の売却をやっている為で、なんかこの3名は物凄くしっかりと僕達の経済を運営してくれている。
「売却出来るお店も分かったから、明日からは此処を拠点になるからね!外に出たいのなら早く出口を見つける事ね。しっかりとあるみたいだから。」
彩希が食事中に別のグループの話を盗み聞きしていたらしい。
出口はあるのは理解した。
それよりもこの洞窟の……嫌、違う!Cブロックの目標とは何なのだろうか?
この事が非常に不気味に気になるところなのだ。
宿屋では3部屋をしっかりとキープするのは、既に僕達の中では定番なのだが、宿屋のオッサンにしてみれば珍しいらしい。
「全員一緒が当たり前みたいに思われても、私達は嫌よね…かと言って、女と男で別の部屋だと女の方が多いんだから3部屋で決まりよ!」
朱音が宿屋のオッサンに説明した。
「君達は完全に割り切ったグループなんだね。」
なんだ?そのオッサンの皮肉みたいなのは…
ついでに朝はいつもの通りで羽角が起こす係に彩希から勝手に任命された。
もうね…これは全員起きるの弱いから諦めてもらいたいわ…
羽角も寝坊するけど…
「でもさ、此処はチェックアウトしないと駄目みたいだから、起きたら夜とかは無いみたいよ。羽角、良かったね!」
桃の最後の羽角良かったね…が、よく分かりませんが…羽角良かったね!
みんな寝坊したのに、怒られなくて良さそうな気配だよ。
ベッドは街のより狭い。
寝てるとね…点滴を病院でやっている時みたいなベッドだね…
寝返りすると落ちそうだ。
さて……明日からいよいよCブロックの探索である。
これでも少しは気持ちが高ぶる……
何故だろう…朝まで居た宿屋が懐かしくなる……