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「でもさ、でもさぁ……この場所をみんな教えてくれなかったのって、向こうの街じゃみんな来れて無かったんだね。」
桃が言う通りなのだ。
誰もあの街から来れて居ない人達の街だったのが今更理解できた。
そんな今は、食べ放題のお店なのだが……
肉は何の肉なのか?
「大丈夫だよ!人じゃ無いって聞いたから!!」
いくみさん?
人じゃ無いって……
では……何の肉かは??
「うーん……知らない。」
いくみの言葉になんとも言えない雰囲気だが……
「人じゃ無いんでしょ?この洞窟に居るなにかよね?別に普通に食べられるから私は気にしないけど。」
彩希が一番気にしそうな気もするが、意外と気にしないのね。
「嫌なら草だけ食べていればいいんじゃない?此処で何が居るのかは知らないけれど、私も気にしないから…」
すずかは何となく気にしないのは分かる。
野菜って言えば新鮮味も出るけれど、草って……
まぁ……草か……
「そんなに気になるクセがある訳でもないし、美味しいよ!」
ハカセに味覚がある様にも見えないのは、気のせいかしら?
何でも食べてるイメージ…
「まぁ肉の事はともかく…」
彩希が少し神妙な面持ちで全員を見回した。
「私達これから……っていうか、明日からCブロックを探索するわけでしょ?でね……火の玉みたいのってあのガーゴイルが居た扉をすり抜けて入って行ったみたいなのよ。」
彩希?その情報はいつ仕入れたのよ??
「それは当然、ガーゴイルに扉を開けた後に何気なく聞いたのよ。気になるじゃない、何しろ私達はそれを追って来たのに…」
彩希の言う通りなのだが、ハッキリ言えば……僕はその存在を忘れていた。
「えー!キラー忘れてたの??桃も記憶に無かったけど…」
なんだよ!桃も僕と一緒かよ!
「残念だけど……私も…」
いくみすら忘れてたの?
「もうね…先に行く事だけで、理由なんか飛ぶのよ…」
いくみがそんなだと……
って…彩希以外は全員火の玉の存在が飛んでるし…
火の玉が飛んで向かって行った洞窟に……
「キラー君、無駄な韻を踏む事は無いわよ…」
彩希が何だか要所でしっかりとしているんだよなぁ……
「まさかみんなで忘れているとは思わなかったし、ガーゴイルが扉を開けた時に不思議に感じたのよ…」
彩希が物凄い重要な事をしっかりしているんだ…
「じゃあ、ブシャー達は?」
朱音が言ったのは、このエリアにブシャーも居るかも知れないって事だが……
「何組も通っているから知らないって…あのガーゴイル、弱かったんじゃないかしら?」
彩希に言われたら、ガーゴイルを倒せたのかも知れないって事か?
何組も通っている……
確かにこの街には大勢居る訳で、何となくその事も頷ける。
まぁ、別に通って来たんだから文句無いけど。