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「これって、トカゲなの?恐竜なの?」
いくみが聞くのも無理もない。なんか、大きなトカゲが3匹向かってくる。
「這いトカゲって言うみたいよぉ~毒に注意だって!!」
桃が即座に調べた。
「なんか毎回桃が教えてくれる敵の名前のセンスが無いのよね。なんなの?」
彩希が言ったけれど、僕も思った。
「なんとなくだけど、外国の片言で日本語覚えた人が造ったんじゃないかな?」
朱音が結構的確な意見を………
「そうっ!それだよ!桃が悪いわけじゃないもんっ!!桃は調べてあげただけだもんっ!!!」
「話が終わったら早くなんとかしましょうよ。二刀流じゃ接近戦に持ち込まないと斬り込めないんだから。」
いくみとハカセとすずかで僕達の無駄話中に這いトカゲと対峙していた。
「ごめんなさい!」
すぐさま僕は手に取った石を打ってみたが相変わらず利き目は薄い。
「もぉ~その魔法はスライムにしか使えないの?役立たずねっ!」
彩希が包丁持って向かっていく。
「ガバッ!」
と口を這いトカゲの1匹が開けた。
彩希は止まって向かうのを中止した。
「あの歯は絶対痛いわ。」
いやいや、彩希さん?最初からなんとなく想像できなかった??
「それ以上にあのトカゲ、口が臭すぎる。」
彩希が嫌そうな顔をして少し距離をおいた。
「あれがたぶん毒が混ざっているんじゃないかしら?私の鉈もたぶん近くじゃキツそうな気がします。」
すずかも彩希に並んで下がる。
「あっ!!いよいよ桃が出ていいんじゃんかぁ~」
遂に桃が槍を構えて、
「突撃~」
と向かうのを這いトカゲは避けた。
「大丈夫!横殴り~」
初めて桃が敵にマトモにヒットさせたが……それほど効き目は無いみたい。
また泣かないでくれよ。
「今の処、何も効果が無いみたいね。困ったわ。あのトカゲの尻尾辺り漢方薬とか言いながら売れないかしら?」
彩希さん?今僕達、ピンチなんじゃないの??
「いいのよ、少し私に考えがあるから。」
彩希がニコッと僕の方に笑顔を見せた。
あまりよからぬ考えはしないでね。