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約10分を戦闘に費やさないといけないのだが……

水……全然減らないなぁ…

10分の長さを痛感する。


まだガーゴイルが攻撃したのは、ハカセの傘型の盾に向かってだけなので誰も負傷とかはしていないのだが、非常にあの攻撃だけで此方は怯んでしまった。


「そんな訳無いじゃない?たかが水が桶から無くなる迄よ?!」

彩希が僕に小声で言った。


僕は頷きながら、ただ単に鉄パイプを右手で持ち……上から振り落とした。


ドンッ!!!


久しぶりに使用した、水の魔法が時間を計る桶を破壊した。


「はい!時間切れね!!」

彩希の声が池の横で響いた。


ニヤリとガーゴイルが笑う……

凄く不気味な笑みである。


「流石だよ!こんなのは今まで無かったよ…まさか桶を壊して終わらそうとしたのは、思いつきもしなかった。大きなルールの欠点があったみたいだな……」

先程の僕達に攻撃する前のトーンより明らかに暗い声でガーゴイルが話しながら、拍手をした。


「じゃあこれで終わりで宜しいんでしょ?桶の水が無くなる迄って事だったので…」

これを彩希が最初から狙っていたので、色々とルールを確認していたのだ。時間稼ぎだと僕は勝手に思っていたのだ。


そして先程、再び水が無くなる迄と言いながら……僕に小声で

「水の魔法を桶に撃って、桶ごと壊して!」

と、みんなに聞こえない様に伝えてきたのである。


「ガーゴイルさん?じゃあこれで、先に向かっていいんでしょ?」

いくみが言うと、重そうな面持ちでガーゴイルが扉を開けた。


「この先が君達が言うCブロックになる。もうここには戻る事は無い。再びAブロックから入って来ない限りだがな。そうそう、街にも誰もCブロックに行った者は居なかったであろう。何しろこの先は私が認めた者しか行けない場所だからだ。」

ガーゴイルが説明した通りなのだが、確かに噂話で財宝があるらしい話は聞いたのだが、Cブロックに行ったグループを見ていなかったし、あの街から洞窟に向かって帰って来なかった理由の一つはどうやら、戻る事が出来ない場所だかららしい。


「私はこの番人なのだ。その私が許可したのだ!偽りは無い。通ってくれ!」

ガーゴイルに言われた通りに、ガーゴイルが開けてくれた重そうな扉から僕達は入場した。


「あっ!だからかっ!」

朱音が大きな声で言ったのは、道が物凄い下り坂の道なのである。


ズズッと全員が、下っていく。


「これは登れないわ…って事は、帰れないの?」

桃が下りてしまった登り坂を見ながら不安そうな顔をする。


「桃、どうやら後ろ側ばかり見てもしょうがないみたいよ…前を見てごらん!!」

すずかの冷静な声で僕もつられて前を見た。


「あれは?街??」

桃の言った通り、Cブロックはこの入り口に街があるのだ。


「今、調べてみたけど…たぶん大丈夫みたいよ。」

いくみがタブレットで検索した結果は、どうやら大丈夫な街らしい。


誰も負傷せず、ガーゴイルに扉を開けさせて入ってきた僕達はこのCブロックで果たして通用するのだろうか??



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