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「結局Aブロックで蜘蛛も出て来なかったね。でも……蜘蛛は近寄りたく無いけど…脚も気持ち悪いし。」
桃が蜘蛛を苦手なのは何度も言われているので、知ってるのだが……
カニの脚は食べようとするのに、蜘蛛の脚は気持ち悪いってねぇ……
「そりゃーそうだよ!真っ黒で細くて毛深いって何よあれ!」
桃が凄い勢いで、怒ってるし…
「桃、それでも結構私達はその脚で食いつないでいけたのよ…私もあの脚のお陰で捌くのが手際よくなった事だし。」
すずかが言う通り蜘蛛の脚の売却額で毎回生活していた訳でもある。
「本当にすずかさんが捌くの早くなったので、途中から集める僕の方が手間取っちゃいまして大変です。」
羽角が笑顔で大変な話を出来るのは、それぞれ役割りに徹している落ち着きからなのだろう。
「本当に蜘蛛は私達の生活に一時期大切だったわよね…でも………」
彩希さん?どうした??
「あの蜘蛛も人を食べているのよね…この洞窟って、殆どの相手が人を食べているって事よね。」
彩希の言う通り、蜘蛛とカニは人が食べられている所に遭遇している。クワガタも食べてくるみたいだし、一度も戦う事をしてないが蛇も恐らく食べてくるのだろう。
「何気に人間って他の生物から狙われてるよね…倒す事でなんとかあたし達も此処に居るけど、危険なんだよなぁ…」
いくみも毎回僕達の頭脳として頑張っているので大変だと思う。
「アタシと羽角は仲間をオークに殺られているから本当に油断とかしたく無いです。今は皆さんがフォローしてくれているから、もっと強くならないといけないって……」
小春が言いながら、あのオークとの絶望感を思い出したのか、口籠る。
「本当にキラーさんみたいに必殺技みたいのを持っている人が居ると頼もしいですから、それに少しでも近付ける様に小春も僕もしないと!って思いますよ。」
羽角がそんな風に思ってくれると……
「羽角君、キラー君を褒めたら駄目よ!調子に乗るんだからっ!」
彩希は怖いな…
僕は褒められたら伸びるぞ!
「イヤイヤ、調子に乗るだけ!!伸びないで満足しちゃうでしょ!!」
いくみも怖いんだった……
「まぁ、今は一緒にずっと居るんだから憧れみたいのは要らないでしょ?キラーは一番の問題はセクハラ紛いの事があるって事だけよ!」
朱音のトドメが一番僕には痛い攻撃みたいである。
「Bブロックにはカニの前にクワガタも出て来るんだから、慎重にね……」
いくみの言葉通り、クワガタには結構まだ苦戦しているのだからなぁ…




