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「で、長槍はどうなの?」
彩希が桃の新しい槍に漠然とした質問をぶつけてきた。
「うん!まだ敵に遭ってないけど、さっき訓練場でちょっと使ってみた。撲って、刺す!みたいな。」
桃があの号泣で、見た目よりも責任感が強いとか、負けず嫌いみたいな面が出た。今まで可愛いだけのキャラみたいだったのが嘘みたい。
「4階の処でパスを見せたら大丈夫みたいだけど、5階は本当にこれからがベテランの人達もいる場所みたいだから、大変そう。」
いくみがリーダーなのか?ハカセよりもまとめられるのだが………
「ハカセがリーダーの方がいいよ。私は二刀流に専念したい。」
二刀流に専念がよく分かりません。
「いよいよね。ここの受付からが本当に相手が強くなるって言ってたわ。」
彩希が入口の黒い扉を開け、パスを見せた。
「あっ!日暮谷を倒したグループだよねっ!結構注目されてるみたいだから、期待してるよ!」
担当の兵士達が話していた。
「でも、一応気を付けて。街では何喰わぬ顔して一般人を殺してかかる奴等もいるって事を。」
「やっぱり大変な場所に来ちゃってない?」
いくみの話に僕は、
「いやいや、ここの訓練場に来て最初から大変な場所だよ。」
ザザザと音が聞こえた。いよいよ何かが出てくるみたいだ。