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「ほらっ!キラーの無駄話に付き合ったら、全然カニ出て来ないじゃんかぁ〜」
桃さんが怒りまくっております。
あの……僕の無駄話って…
哀しいなぁ…
しかも自虐を無駄話扱いだし…
「でもね、あたしとしては出て来ない方が嬉しいんだけどなぁ…あまりカニに関しては良い事を聞いて無いからね……」
いくみはカニが出て来ない事を願っているのか。
僕も出て来ない方が有り難いのだけど……
絶対面倒な事がおきそうなので…
「キラー君はそうよね…何気に何も無いのをいつも考えてるよね…モメない様にとか、ごちゃごちゃ騒ぎにならない様にとか…でも、だいたい巻き込まれてるけど。」
彩希の最後の一言が全てである。
そうなんだよね…なんか巻き込まれる。
「そこが主人公キャラなんじゃないの?居るのか居ないのか分からない人じゃ巻き込まれる事なんか無いから!」
朱音が僕の顔を見て嬉しそうに話した。
「そんなキラーの巻き込まれるよりも、カニは出て来ないのなんでよっ!桃はカニを食べたいのよ!!」
再び桃が怒る。
「そのカニ…人食べるんでしょ?食べる前に食べられない様にね…私達が食べる時には桃はカニの栄養分になっていたら、気持ち悪いから…」
何気にすずかが強烈な毒を……
「本当の事でしょ?カニの方がいくみの話しでは強いと私は感じたから…」
すずかが言う通り本当に人を食べると言う事は、倒される可能性は十分にある事なのだ。
「ここの池は普通の水ですよね。海水っていうか、海だと大きいカニの印象があるのですけれど、池のカニって大きいんですかねぇ?」
羽角が漠然とした質問を桃にぶつけた。
「羽角!羽角はサワガニとかしか知らないんじゃないの?モズクガニだって居るじゃない!」
桃が羽角に怒る。
「桃さん、モクズガニです…そうですね。毛ガニみたいの居ますね…僕はサワガニとザリガニ程度しか…」
羽角の話を桃が途中で止めた。
「モクズガニでしょ!!桃だってたまには間違えるわよ!エベレーターみたいなもんでしょエレベーターなのに……それよりも!!!ザリガニはカニと一緒にするな!!」
桃はそっちで怒ってるのか…
これはカニを食べないとずっとこのキャラなんじゃないのかしら?
「キラー君、ちょっと池潜って採ってきなよ!」
彩希!!それは絶対嫌だー!
洞窟の中の池だよ?どんだけ怖いんだよ…
なんか昔にそんな事件があったのを記憶してるけど…
しかも人を食べるカニってさぁ……
水も冷たいし…
「随分と嫌な事を並べたね〜私は絶対潜ってなんか浮かばないわぁ…そこが彩希の発想の強さだよね!」
朱音が彩希の事を褒めてるのか?
僕は彩希なら言いそうな気がするぞ!
「本当に池を通り過ぎるだけなら、道も一本だから楽よ!変に迷わないから!あたしはカニ出てほしく無い派だし!!」
いくみは相当カニに警戒しているみたいである。
確かに誰かが止めておかないと、下手すればカニが出てくる迄池に居るかも知れないし…
早く池を通り過ぎたいもんです。