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凄く無意味なお話しを、メンバーに教えないといけなくなったのは、彩希がそんな事をふるからだよねぇ…
話は非常に長くなります。
僕の以前に居た会社は、非常に規模が小さい会社で社長さんは元々僕がその前に居た会社で、僕と同じ場所で一緒にお仕事をしていた上司だったのだ。
その社長が独立して、その会社に引き摺り込まれたのがその会社で……
まぁ……一緒に会社を立ち上げる時に僕も随分と動いた訳で……
そんな事は関係ないのだが、その社長が釣り好きだったのである。
そして、会社の人達数名と海釣りに向かった訳で……
「キラーは釣り好きじゃないの?」
桃が何気なく聞いた事に
「僕は女の子が好き!!」
……軽くひいてんなよ…
哀しいなぁ…
まぁ、そんな訳で僕はそんなに本格的な釣りはやってはいないのである。
それが、漁船で殆ど寝てないのに深夜から連れて行かされる。
……だいたい分かるよね。
そう…酔いました〜
最初は沖迄そのまま行くから大丈夫だったのだけれど、ポイント?魚群探知機だかで船が停まっていよいよみんなが楽しみにしている釣りが始まる!!
最初は良かったんだよ。
で、他のメンバーの人達は結構色々釣っていたけど、僕は良く知らない小さいの一匹。
暫くしたら大変な事になりまして、トイレに向かう〜
殆ど何も胃袋には無くなりまして、ただ気持ち悪いってなって……
一言で言えば病人だよね……
でも、竿はちゃんと持っていたのよ…
釣りだからね…
そしたら、いきなりグググッって竿が重くなって、僕は船のスクリューだかに引っ掛かったのかと思ったら……
違うの!!
凄いの釣れたみたいでみんなに注目浴びるし、漁船に知らないグループのオッサンとかも、
「竿を立てろ!!」
みたいな事言われて……
暫くしたら……
「うわぁっ!デッカイ金魚だ!!」
これが僕の感想でした。
「バカ!あれは鯛だ!!!!デカいぞ!!」
再び別の知らないオッサンからも言われる……
ようやく出て来て、最後は網ですくって貰ったんだけど80センチ程の鯛〜
釣り上げてみんな盛り上がっている所で、僕は再びトイレに駆け込みました……
嬉しいの前に帰りたかった……
漁港に着いた時に、鯛が釣れた時より嬉しかったし…
「で……お刺身にして食べたんでしょ!」
彩希が嬉しそうな顔をして僕を見る。
そう……
鯛のお刺身を一口食べたら………
またトイレにこもりました〜
出て来たら………
無いのよ!!
可哀想じゃない??
一口しか釣った僕は、食べられなかったの!!
「みんな食べられたの?」
いくみが半分呆れ顔で僕を見る。
……うん…
あれから鯛を食べた事無いし…
「でも、キラーは海で金魚が釣れたと思ったんでしょ?金魚だと思えばいいじゃない!!」
朱音も呆れ顔…
「鯛を金魚と間違えてるだけで、キラーは終わってるわ…」
すずかが嬉しそうな顔してるし…
「いいなぁ、キラーは鯛を釣ったんだ!しかも大物だし!!」
釣りをやるハカセは珍しく僕の話で感心してるし…
「鯛を金魚って間違えたのは既に価値が無いよね〜そりゃあオジサンに怒られるよ!」
桃も楽しそうである。
「でも、キラーってさぁそんなに酔うんだ……」
朱音が僕の顔をマジマジと見た。
「実はあれが初めての乗り物酔いだった……」
僕の答えに、
「じゃああたしとコーヒーカップに乗った時が二回目??」
いくみが言った通りいくみと遊園地で乗ったコーヒーカップは、いくみが狂う程回したお陰で僕は出口で出したぞ!!
「えー!!船の時はトイレに行けたのに??」
彩希が驚いた顔をして僕を見た。
「そうなの…そして、あたしが掃除の手伝いさせられたよ……」
イヤイヤいくみさん、あの時はもう限界だったのよ!
それでも回すし……
「キラーちゃんってさ、今もだけど…そんなに困った表情とかしないじゃん!結構レアだったから調子に乗っちゃったんだよねぇ〜」
いくみがその時の事を思い出しながら、嬉しそうな顔をしている。
「確かに貴重よ!私はそんな大ピンチのキラー君は見た事無いから…」
ちょっと?
彩希さん?
口惜しそうな顔してません?
「口惜しいわよ!」
彩希って怖いわ……
「違うわよ…私には見せないじゃない。」
なんだ?
彩希。いきなり、ちょっと可愛いぞ?
「じゃあ無駄話も終わった事だし、カニを捜そうか?!!」
桃さん?
これだけ、僕が話したのが無駄話でしたか?
「これが無駄話じゃ無ければ、どんな話でも無駄話じゃなくなるわ!」
彩希が僕に話しをさせたのに!!
「キラーちゃんらしい、自虐オチだねっ!!」
いくみも嬉しそうに僕に笑みを魅せた。
しょうがない……
この悔しさはカニへ向けよう。
「キラー!偉い!!」
桃に頭を撫でられた。
ちょっと嬉しい………
って、桃が軽くひいてるし……
何回ひくんだよ……
哀しぞ!