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「ちょっとさぁ……僕の肩、どうなってる?」

ハカセが負傷した右肩付近を見せた。


「結論から言えば……重傷じゃない?」

「彩希!!さっきかすり傷とか言わなかった?」

ハカセが彩希の一言に驚いてのいつもより1オクターブ高い気がする声を張り上げた。


「ちょっと見せて。あ〜」

いくみもそれだけの返事。


「いくみ!!『あ〜』って何だよ!どうなってるの??」

慌てるハカセ。


「えーと……刺されたみたいになってるよ!」

「桃??それ、蚊に刺されたみたいに?それとも蜂??」

ハカセが次第に動揺しているのだが、何故刺されたイコール虫なのか?

まぁ…クワガタも虫か……


「あっ!言い方が悪かったね!槍に刺されたみたいに穴開いてるよ!!貫通しなくて良かったじゃん!」

「桃!!!貫通しなくて良かったじゃん!じゃないよぉ〜穴開いてるの?駄目じゃんかぁ!!」


ハカセの負傷は実際どうなって怪我をしたのかが確認出来なかったのだが、どうやらハサミの一部分が触れたのか刺さったのだろうが、結構傷口が深いのが確認出来た。


「本当にどうなって刺さったのかしらね?」

すずかが羽角と一緒にクワガタのハサミを解体して捕っていたのだが、そのハサミの一本を持ちながらハカセの肩の痛々しい負傷部分に照らし合わせたりした。


「これ…尖端が刺さった訳でも無さそうだけれど、ハサミでこの程度の穴を空けたのが分からないのよね…」

すずかが色々な角度にしながら照らし合わせているが、どうやら納得いく負傷部分にならないらしい。


「すずかさん!これじゃないですか?」

小春がクワガタの右脚を見せると、


「流石小春ね!この爪だわ…一瞬であんなに穴が空くのね。ハカセ……頭じゃなくて良かったと思いなさい。」

すずかがハカセを見ながら……

良かったと思いなさいって、女王様かしら?


「キラー、血を見たくなかったら余計な事は思わない事よ…この脚でキラーに試してみたくなる前に大人しく!!」

すずかってこんなキャラだったか??

最近クールが増大してるけど……

もう詮索は辞めよう……


「って事はだよ!僕は大怪我って事だよね!あのハサミを抑え込む時に全然力が出なくて、全体重で抑えたんだよ…」

ハカセのハサミを抑え込む音が微妙だったのは力が弱かったって事だったのが、勝手に確認出来た。


「こんな怪我しているんじゃ不本意だけれど、荷物持ちが減るのも困るし……一旦戻りましょ!!」

「彩希!!なんか僕の事を荷物持ちとか言わなかった??」

ハカセが負傷してから妙に饒舌である。


「荷物持ちでしょ?普段役に立つ事少ないし…」

彩希の一言に流石にハカセは大人しくなってしまった。


「でもでも〜きょうのハカセは珍しく役に立ったもんねっ!!」

「桃………珍しくは要らなかったよ…」

ハカセが少し寂しい顔をして桃を見た。


「じゃあ次のカニはしっかりお願いねっ!!」

桃がハカセにカニを捕らせようとしている。

上手い誘導だな……



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