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「先ずは頭を下げてもらわないと進まないね。」
言いながらいくみがドラゴンボーンの背後に回った。
「尻尾を狙うからたぶん此方を向くと思うの。キラーちゃん辺りが背中辺りで骨を登れない??」
無茶な事言ってるけれど、やれる事はやってみよう。
「僕が行く!!」
と、ハカセが背中に飛び付き…………
落ちた。
「折角のいくみがくれたチャンスをハカセは…………」
彩希が苦笑いをしながらいくみの方へ向かった。
「私といくみでもう一度尻尾に攻撃するから今度は成功してよねっ!」
再び尻尾を攻撃するとドラゴンボーンは彩希といくみ側に顔を向けた。
よしっ!僕の出番!!と僕が鉄パイプを持ち上げて向かおうとした。が……
すずかがハカセの盾を踏み台にして高いジャンプからの鉈でドラゴンボーンの頭に振り落とした。
怯んだ処でようやく僕の鉄パイプと朱音の薙刀でヒット。
「ハカセ!ここで!!」
いくみの声にハカセが盾を叩きつける。
ガラガラと音を立ててドラゴンボーンは崩れた。
部屋に響き渡る
「おめでとう。出口に向かってください。」
僕達は出口に向かって行く。みんなのテンションが一気に高くなったのだが…………
「なんか、ごめんなさい。」
桃が泣きそうな顔で下を向いている。
「みんな一緒に頑張っているのに私だけ何もできなかったんだもん。」
大泣き。
「別に桃が何もできない訳ではないでしょ?まだこれからやってもらわないといけない事だってあるのだから。」
彩希が宥めているが、なかなか大変。
「兎に角許可証をさっさと貰って一旦街に戻りましょう。」
いくみが桃の手を取り連れていく。
出口にさっきの小さいオッサンの他に数名の兵士達が拍手で迎えてくれた。
「これからは4階の出口でこれを見せれば通行できます。」
パスを貰いました。
街に戻ったらドラゴンボーンより大変な桃との戦いになりそうだ。