表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
398/575

138



「ハカセさん!危ない!!」

羽角の声が洞窟内に響いた。


ハカセと羽角でクワガタのハサミ部分を抑え込む作戦だったのだが、クワガタのハサミを抑え込む事は出来なかったのである。


「そうだよ…クワガタって飛ぶんだ…」

桃が頭上を飛ぶクワガタを見ながら呟いた。


「飛ぶとかゴキブリと変らないじゃない!」

彩希がクワガタを同類にみている…

クワガタってカッコいいんだぞ!


「キラーちゃん、そのカッコいいのに倒されないでよ。」

前方に居たいくみが言いながら最後方に居た僕の隣に来た。


「これ、戻ってくるのかしら?」

朱音も僕の隣に…

二人共動きと判断が素早い。


「クワガタは私達を捕食しようとしてるんだから、戻ってくるわよ…」

いくみが言う通り、狙われている訳なのだから次の攻撃に僕達も備えないといけないのだが……


「勿論飛ぶとか頭に入れてなかったわよね…しかも後ろ側に回り込まれるとか…」

彩希がそれでも斬りかかる様な姿勢をみせている。


「やっぱりまた地面に降りた時に抑え込むしか作戦はないですよね…」

額に汗を滲ませながら羽角が僕の前に立つ。


「いきなり目の前から消えた事しか分からなかったよ!」

ハカセも慌てて羽角の左側に立つ。


「戻って来た時がチャンスよ…ピンチとも言うかも知れないけど…」

朱音が薙刀を手にしながら、ジッと飛んでいるクワガタを見る。


先程よりもう少し距離が出来たみたいだ。およそ30メートル程僕達の頭を飛びながらターンして地面にクワガタが降りた。


「なんとかこっちも並びをなおせるよね!」

言いながらいくみが僕の顔を覗き込む。

相変わらず美人だな…


「キラーちゃん、ピンチの時なんだから余計な事を思わない!」

一発でいくみに抑え込まれる。


「ちょ、ちょっと待って!ハカセ…右手……」

彩希がハカセの右手の肩付近を指差す。


「うわぁ!血、出てんじゃんかっ!いつ??血を見たら急に痛いし!!」

ハカセが肩付近をいきなり出血していた。


「大怪我では無さそうです。恐らくクワガタのハサミがハカセに触れたんでしょうね…」

羽角が言う通りだろう。

かすり傷とは言い難いが、手もしっかりと動いているので大丈夫な筈だ。


「あのハサミ、やっぱり危ないんだね…」

桃は先程、頭上をクワガタが通っていった時にジッとクワガタを見ていたのだが、その視線が余計に強く見つめる様な気がする。


「ハサミは前に解体する時に思ったのだけど、尖端部は鋭いのよね…」

すずかが鉈を見つめながら話す。


クワガタは飛ぶのを忘れていたのは僕達の失態だが、ここから切り替えていかないと……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ