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無事に街迄戻って来れた。
いつもの様に蜘蛛の脚を売却してからの、食事である。
「僕はずっと悔しかったんですよ!みんながそれぞれ活躍している中でこんなに役に立たない事ばかりで!!」
今回は羽角が饒舌である。
「本当にこんなに悔しいって思った事なかったんですよ!キラーさんなんかに悔しいって気持ち無いでしょ?」
羽角が名指しで僕に言ってくる。
「いやいや、僕だって悔しかった事あるよ!」
みんなが僕に注目するので、悔しかった話しをする。
前に辞めた会社の女の子から連絡あって、一緒にお出かけしたんだけど、帰りの彼女の最寄り駅近くで食事をしようってなってね、駅のホームに一緒向かったのよ。
そしたら、結構人が居たんだけど……急に女の子が全然違う男の腕組んで僕から逃げる様に消えました……
彼氏にちょうど逢ったんだろうねぇ……
その後、どんなに連絡しようと二度とお返事はありませんでした。
悔しかったー!
「キラー君、それはリアル悔しい話で…今のこの探索の悔しいじゃないよね?そんな生々しい、興味深い話しをしてくれるとは思わなかったわ…」
彩希さん?僕、今のお話しヤバかったかしら?
「えー!!あたし、キラーちゃんのそんな話しを聞けてちょっと面白かったよぉ〜あたしも今迄の冒険の悔しい思い出を言うのかと思ってたけど。」
いくみもなんか嬉しそうな顔してるし…
「で、キラー!!その時の帰りって一人で寂しく電車乗って帰ったんだ。可哀想〜」
桃は何気に僕に同情してくれている。
結局はね、その日が土曜日だったからもう本当にこんな嫌な事あったんだからって事で、次の日の日曜日に競馬でいつもより大勝負してさぁ〜
しっかり外れました!
ダブルで悔しい!!
「そりゃあ当たらないって!邪心が入ってるんだから!必死に考えなきゃ無理よっ!」
ちょっと朱音が笑いながら僕の顔を見た。
「あの……キラーさん、なんか変な話しをふっちゃってすいませんでした。僕も今回の探索の件で悔しいお話しがあるのかと思っていたので…」
羽角君、なんか今の自分の話しが一番悔しい気がしてきたよ……
「キラー、僕はそんなデートみたいのもした事無いから、そんな話しを聞いたら悔しくなったよ…」
あっ!ハカセ!!ごめん…
リアルチェリー君だったんだよね…
「嫌、それはキャンブファイヤーの時のメンバーだけで勘弁してよぉ…」
ハカセ!これは本当にごめんなさい!!
ようやく全員に笑顔が見れたのだが…
僕の過去の話しがキッカケになってるのが痛い……