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「前回はピンクワームなんかいたから2階で終わったけれど、次は3階に行くわよ。」
彩希が何故か2階に拘る。
「3階に何かあるの?随分3階を目指しているみたいだけど。」
僕はそれほど急いで先に進もうとしていなかったから聞いてみた。
「なんか宝石持っているモンスターが出てくるみたいなの。私、宝石が欲しいわ。」
不二子ちゃんかっ!って思わず突っ込みを入れてしまった。
「そうね、魔法使いなんかふざけた職種を名乗ってる人がいるのだもの、私も不二子ちゃんって選べば良かったわ。」
「お胸が不二子ちゃんじゃ………………」
「うるさい!」
と、怒鳴られた。
ダンジョンとはいえ、地下街みたいなメイン通りなので明るいし、みんな歩いているので、無駄話をしながらでも大丈夫だった。
但し、メイン通りだけ。後の道は何があるか判ったもんじゃない。
耳をすませば剣の音が聞こえてきたりもするのだ。
「いよいよ3階の兵士さん達がいるよぉ~宝石ってなんか素敵!」
桃のモチベーションが上がっている。
3階の兵士達に挨拶をして今回が初めての3階だと言うことを告げると、やはりここではピンクワームに注意する様にと言われて、骸骨が襲ってくるのでここではある程度強くないと危ないとの話だった。
「骸骨が本当に動くみたいね。彩希が狙っている宝石は骸骨が持っているらしいし。」
いくみも宝石に興味を持っている。
「宝石は高く売れるのは売店のオジサンが教えてくれたの。骸骨倒して宝石持って、売りに行くわよ。」
いくみは売りたいだけだった。
メイン通りは3階にもある。やはりここはメイン通りから外れて行かないといけないみたいだ。
1.2階同様一歩別の道に来れば雰囲気が違う。
ガシャッ、ガシャッ!と音が聞こえて来たら………
後ろにそれは居た。