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「戻るんだろうか??はぁ?戻るに決まってるでしょ?せめて50万円はもらいたいんだからっ!」
彩希さん単位が、『円』になってますよっ!
「なんとなく『G』が嫌なのよね…まぁ『ゴールド』だけど…『G』はやっぱりあの黒いのが頭を…最初の頃沢山見たし。」
たしかに『円』が馴染むからなぁ…
「彩希が言った通り、きょうは50万を目指します。本当は100万だったりしてたんだけど、流石に100万は厳しいかな?って事で!!」
いくみが全員を見回して今回の目標額を宣言した。
「簡単に蜘蛛をあと4回倒すって厳しくない?キラーが倒してくれてるけど、危ない時だってあるだろうし…」
ハカセが僕の顔を見ながら、心配してくれている。
「私もだけど、しっかりと狙っていかないと厳しいよね…小春の弓がさっきはトドメになったけど、私なんか当たりもしないし…」
朱音の薙刀は本当に蜘蛛と相性が悪いらしく、毎回避けられている。
「僕も、脚を持って帰るのは別にいいのですけれど、なんとか戦闘に加わらないと…」
羽角も改めて斧を見ている。
「羽角の斧だとスピードでは厳しいわよ…違う相手とか接近戦で効果があるだろうけど、慌てる事は無いわ。貴方は貴方なりにやっているのだから。」
すずかは結構冷静な周囲の分析をしている。
最初の蜘蛛と戦った時にも、すずかから『火』の魔法を言われたのだし。
彼女は相当考えての、今は脚を捌く役割りに徹しているのだろう。
「キラー、私はあの蜘蛛には勝てる気がしないから…でも、見学だけでは毎回終わらせないわ…」
それが、脚を捌く役割りにすずかはなっているのだろう。
「じゃあ、みんなで稼ぐって事でいくよ!!」
いくみのかけ声から、先程出て来たばかりの洞窟へと向かっていったのである。
また蜘蛛だったりするのだろうか?