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「実際、このお店以外の食事出来る所って、どんな感じなの?」
すずかが初日に別行動していた、彩希といくみに訊ねると、
「金額的にはここより高くなっちゃうかな?美味しいけどねぇ…でも、このお店ばかりってのもなぁ…」
いくみが桃の顔を見ながらパスタを食べていると、
「それはいくみと彩希が遅れるから先に食べてろって言うんだもん!すぐに判る場所を、この桃ちゃんが選んだのよ!感謝しなさい!!」
なんだ?食べる事になると随分と強気にでるなぁ…
勿論お店の場所が分からなくなるのは懸念されるけれど、たまには違うお店も……
「キラー!!桃が選んだお店にケチでも??」
あ……
可愛い顔して怒ってるのが、また……良い感じ……
「桃!キラー君が、またニマニマしてるから気をつけて!!」
彩希〜僕はまだ何もしてないじゃんかぁ……
「何もしてないだけで、十分怪しいのよ!見てるだけでセクハラみたいな…」
彩希さん?何か言い方がキツくないですか??
「私に言い方がキツくない時は何かを欲しい時だけよ!!」
彩希……それは、嫌われるぞ!
「私はお金に好かれたら文句無いの!」
どうした?彩希??そんないきなりゲスなお話しを……
無駄話を長々としていた為に、夕方近くになってしまった。
「…これから行くの?もぉさぁ、夕飯食べて寝ようよ!!」
桃さん?
今お店を食べ終わったばかりじゃ…??
「そぉ?お昼はお昼!夕飯は夕飯でしょ?違う??」
「もう少し時間置いてよ!どんな胃袋なのよ!!」
桃の一言に彩希が呆れ顔で桃の手を引っ張る。
「ほら!少しはちゃんと洞窟の中に入りなさい!」
いくみも桃の手を引っ張るから、桃がズルズルと動く。
結局桃を引き摺りながら、ソブの洞窟入り口に到着した。
高さはだいたい5メートル、横の広さは15メートル程。思った以上に大きく見える。
入り口には朝?いやいや昼近くに、ハカセに職質していたのと同じ格好をしたこの街の兵士四名、左右二名ずつ立っていた。
「ほら、ハカセ…また注意されないでよ!」
朱音が少し笑いながらハカセの背中を押した。
「あっ!!」
結局一名は昼間の兵士さんだったので、ハカセを見てすぐに反応されてしまった。
「…あ、昼間はすいませんでした…」
ハカセが、ペコリと頭を下げると相手の兵士も、
「洞窟は危険ですから気をつけて下さい。後は、他の冒険者も大勢居ますのでモンスター以外に斬りかかったりしないで下さい。」
止める事はしないが、一応挨拶程度の話しをしてそのまま僕達を洞窟に入れる様にしてくれていた。
「ハカセ〜良かったねぇ〜あたしは止められるかと思ったよ!」
いくみが刀を出しながら笑っている。
通常の状況で見たらこんな物騒な人とか居ないよなぁ…
洞窟は一歩入った時に足もとは踏み固められているので、今は歩きやすそうである。
中はひんやり冷たいのと、人の声とよく分からない声みたいのや、金属音等響き渡る。
洞窟なのであるが、最初の頃に居たサングレアルの時みたいに電気が点いている。
まぁ、何処まで点いているのかは全く不明なのだが……
そ