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群青吸血バエというのが正式名称だったらしい。
「それで、脚とかにゴールドの成分が入ってるって、誰か服とかに脚ついてない?」
彩希が売店のオッサンから仕入れた情報で僕達は騒いだ。
話に依るとここでの通貨は「G」ゴールドなのだが、虫に付着している成分を煮込むんだか何かをして造っているらしく、群青吸血バエはそれをかなり持っていたとの、それが通貨になるらしい…………
「ハカセの盾!!!」
いくみが見たら
「ごめん。さっき洗ったけどベトベトなだけだった。」
なかなか勿体ない戦闘だったなぁ。
たった1回の、それもハエを倒しただけで僕達は次の探索迄になかなか行こうとする気力が出なかった。
「結構今回は恐かったね。あんなのみんな雑魚キャラみたいに進まないと、これから大変だよ~」
桃が言った事が全て。
「1日1回じゃ話にならないし、稼ぎも無かったから行くよ!!」
彩希に促されてみんな準備を始めたけど、いつから賞金稼ぎになったんだ???
「悪魔って、昨日の日暮谷みたいのもいるみたいだけれど、一応お城の兵士さんで8階位迄進入してくるのを今は抑えているみたい。」
朱音が情報を仕入れてくれていた。
「そう、だから一気に向かう事をしようとすればできるみたいだけれど、1回戦っただけで戻れなくなりそうな戦闘だったから心配。」
すずかの普段の声は小さい。弱々しく感じてしまうけれど、いざというときは大きい声が出たもんな。
「ハエをもう1回でもいいし、そうだ!さっきの場所に行ってハエの脚拾って来ましょ!!」
いくみの号令で今回は脚を拾いに行く事に。
急いで向かうとハエを倒した場所はハエの死骸は既に無かった。片付けられていた訳では無い。
そこに黒い蠢く大きなあれがいた。
「ゴキブリーーー!!」
女子の悲鳴がダンジョンに響き渡る。
60センチ位のゴキブリが2匹でハエを食べ切ったようだ。
「こっち見てる~あっ!そうだ!ここで使えばいいんだ!!」
何気に桃がゴキブリ見ても驚かなかった。
「あっ!ゴミ屋敷みたいになってたから、よく広告とか丸めて倒してたよ~」
それね…………
データ解析みたいのしたらすぐに出た。黒赤ゴキブリみたいだ。肉食らしい。ついでにこれも少量ながら脚に金が…………
「6×6で12本なんだからもらいましょ!桃が持ってくれたら………」
って彩希が言うと、
「持てないよぉー」
と、無駄話をしているうちに彼等は此方に動き出してきた。