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6

2階に来たとは言えまだメインの通路は他の探索している人達がかなりいる。

ただ、少し離れた場所迄来ると遂にその時が来た。

「ゴー」というなんか変な音が正面から聞こえ、その直後80センチ位の黒い丸い物体が飛んできた。

ハカセのジュラルミンの盾を掠めた時に見えたが………


「ハエ??でっかいハエじゃない?気持ちわる!!!」

いくみが二刀流をかまえる。


「戻って来たー!!」

すずかが初めて大きな声を出したので僕は思わずすずかを見ちゃった。




お腹にドッチボールの玉を喰らった様な衝撃でハエが突っ込んで来たのだ。


「ウッ!」


と、なって仰向けに倒れた所で僕の眼に飛び込んできたのは巨大な眼球とあの舌だか口だか分からないのがモゾモゾしているハエがお腹にいるのだ。

「キラー!!」

と、言いながら桃が初めてスリングを打った。

ハエの尻尾だか、お腹だか分からない場所に当たった。

ふわりとヘリコプターの様な感じで浮き上がると、再度僕のお腹に向かってきた。


ザッ!と、音がした。

「私だって一応メンバーなんだから!」

いつもより声のトーンが高くなった彩希がハエを斬りつけた。


「よし!」

ってハエが逃げようとした所をいくみの右手だけで攻撃。左手下にだらんとしてるじゃん!なんだ?痛いの??ってこのピンチに目で追いながら僕は立ち上がった。



「いくみ!退いてー」

と、ハカセの声が聞こえた直後、ガシュッ!!と音がしてハカセが盾と盾でシンバルの様にハエを叩いた。と、言うより潰した。

「ハエ叩き!!」

ハカセの一撃でハエを倒せた。




僕はハエが突っ込んできたお腹を触ると……



「なんじゃこりゃ!!!」

血じゃなくてベトベトな液体が………凄く生ゴミみたいな臭いがして臭い。



「近寄らないで!早く帰りましょう。」

彩希が顔をしかめてる。

「怪我はしなかった?」

いくみが聞いてきたけれど、どうやら僕は大丈夫みたいだ。


「いくみこそ、さっきハエを斬る時に左手だらんとしていたけど大丈夫か??」

「あっ!右手で斬りかかったら左手じゃ細かい動きできなかっただけ!」

てっきり怪我したかと思ったわ。



「すいません。私も朱音も全然役に立たなくて………」

と、すずかと朱音が顔面蒼白で立っている。


「こんなの普通に動ける方がおかしいよ。気にしないで次は動こうって思えば少しは動ける様になる。桃もこの前見てただけだったし。」

と確かに桃がすぐに撃ってくれなかったら僕はどうなっていたのだか??



「今回はキラー君が囮になってくれたおかげで倒せたからね!

流石魔法使い。」

って彩希さん?魔法使いって囮???



そんな話をしながらダンジョンの出口に到着。

僕は早く着替えろって言われるのは当然だよねぇ…………


「ハカセ、ハエを叩いた盾が物凄く臭いよー、さっき迄キラーちゃんの悪臭だけだったのが今更~」

っていくみが言いながら、

「あっ!私のナイフも臭い。彩希~ナイフ臭くない??」



桃がいきなり、

「あーーー!!タブレット出して相手を確認するの忘れてた~」

彩希に、

「ハエでいいよ!ハエだもん!!」



ハエをやっとの思いで倒しただけでこの有り様。

誰も怪我したのがいなくて良かった。

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