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「なんか、ミニスカの中が………」
「当たり前じゃない!みんなジャージ着ていくのよ。この前の日暮谷の時に思ったの、肌が出てると危ないって。」
彩希が今更みたいだけれど、尤もな事を言いながらドレスの下にジャージ着てるし。
「マントは気に入ってくれた?防火だからね!火の海に突っ込んでも大丈夫!!」
いくみの言葉に、
「火の海は無理だろ!」
って無難な突っ込みしか入れられなかった、自分が火の海に突っ込んだ。
「はいっ!キラーには新しい魔法の杖だよ。」
って桃がくれたのは1メートル位の鉄パイプ。
「これ、僕は昭和の悪い奴みたいに見えないか??」
と、言えば、
「大丈夫だよ~お爺さんの杖より金属の方が石を打っても折れないし!」
桃だけ見てたの♪魔法使いの魔法は大変だって!
日暮谷事件からの翌日に再びここに向かう訳だけれど、今までのとは違い緊迫感が凄い。これで3回目の入口だけれど、地下2階に向かいたいと思っている。
「1階にいるのはスライムの練習場ぐらいみたいだからしょうがないけど、2階からは結構変わるみたいだよ。」
と、ハカセが人の話を盗み聞きして仕入れた情報を教えてくれた。
「そうね、私達はまだ初心者だけれど、1階でうろうろしていても稼げなさそうだから。」
相変わらず彩希はシビアだな。
2階の階段入口に兵士数名がいて、管理してくれている。負傷者等自力歩行が困難な人を連れていってくれたりもしているお城の兵士達だ。
聞かなかったけれど、昨日の日暮谷に巻き込まれたのも城の兵士達。大変な仕事だな。
2階に降りた処でまだ駅地下みたいな雰囲気だが、少し空気がひんやりしている気がする。
僕達は若干の不安を覚えた。