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「なんかあっさり階段があったけれど。」
いくみが先頭で、37階へ向かう階段を発見した。
「普通さ、こんな時に悪い奴とか出てきて、『通さないぞ!』とか言いながら出てくるよねっ!」
桃がテンション高めに言うと、
「でもだいたいそんなのは主役にやられちゃうのよね。」
すずかは相変わらずのテンションで、でも誰もが納得の事を。
「何もないのは良いことよっ!さぁ行きましょ!」
彩希が無駄に長い刀を鞘に入れたまま肩に乗せて階段を登る。
「彩希の刀も長いけど、あたしの弓も階段登るのって結構邪魔。」
小春が言いながら弓を立てながら上がっていく。
「彩希とかの刀なら必殺技みたいの創れるからいいよねっ!弓って当たるか当たらないかみたいだから…」
「弓はさ、当たった時は既に必殺技みたいなもんなんじゃないかな?桃なんか弓を弾けなくて今の槍に代わったんだよ!」
桃はそうだ、最初弓を弾けなくて諦めたのだった。弓を使っている小春の方が華奢に見えるのだが、何かが違うのだろう。
「羽角は団長オークを階段から落としたりしているけれど、あたしはまだ何も役に立ってないから…」
「小春、まだいくらでも役に立つチャンスなんかあるわよ!ハカセを見てご覧、役になんか一切立たないんだから!」
朱音が毒舌。
「本当に役に立つのはいざって事で…」
ハカセが言っている途中で
「トイレに行く時の事かしら?」
相変わらず彩希が妖艶な笑みを魅せながら此方を振り向いた。
「さ、小春!37階じゃ頑張って階段探すぞ!」
ハカセ…、まぁいいか…