199/575
119
「…とりあえずさ、この前みたいに羽角が後ろに回り込んで階段から落とすって事で…」
いくみの囁きに頷きながら、僕とハカセは興奮気味の団長オークを誘導してみた。
「ハカセ、盾で受けようとするなよ!多分潰れる。」
僕はあのハンマーをなんとか退かしたいのだが、それも無理そうなので、兎に角避けるという作戦のみをハカセに告げた。
「キラー、アイツ遅いからまだいいけれど、追い詰められたらヤバいよ。」
既に階段の手前迄来てしまい、追い詰められた感が激しい。
「兎に角ハンマーさえ受けなければ大丈夫だ!」
凡そ励みにもならない会話でいよいよ団長オークが目の前に来てしまった。
「オマエ等!今度は階段から落ちないぞ!」
団長オークが察している。
「なんか、作戦がバレてない?」
ハカセが僕に耳打ちしてきた。
「本当、バレてるよね…どうしよう?」
いよいよ追い詰められたって感じ。後ろは下り階段…
困ったね。