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「オマエ、何で火が吹ける!」
言いながら団長オークが遂に巨大ハンマーを振り落とした。
「あれ、喰らったら痛いも感じないで死ぬぞ!」
僕の当たり前の受け答えに彩希が、
「だったら一度喰らったらどう?」
相変わらず毒が強いな…
って、いくみやすずかも強いか。
「なんか無駄な呟きが聞こえたけれど、今は聞き流してあげるわ。」
すずかに聞かれていたし。
そんなすずかがようやく…そう、ようやくであるが、鉈を持ち上げた。
彩希が包丁から刀に代えたがすずかは未だに鉈のままなのだが、やはり人食い…嫌、ここで言うのは止めておこう。
そんなすずかの鉈が団長オークの腕に!
「ふぅ…普通なら切り落とせる筈なのに、あの豚、血も出ないわ。」
すずかが呆れ顔で此方に戻ってきた。
凡そ戦闘をしているとは、思い難い光景である。
「やっぱりもう一度、羽角がやったみたいに階段から突き落として逃げるしか無い……あっ、普通に逃げれば良いかも!」
桃の独り言が響くと桃の口をいくみが手で、ビシッと塞いだ。
「桃ちゃん?朱音と私で上手く立ち振る舞うから、その作戦は豚さんに聞こえる様に話しちゃだめよ。」
なんか、いくみのキャラが怖く感じてしまう。
まぁ、でもいくみと朱音がそんな考えで動いていたなんて、思わないよね。
ここは気を引き締め無いと死ぬな…