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「オマエ等!、団長!」
と、オーク達の叫び声がまだ響く中で、僕達は次の階段を探す事にした。
「あの声を聞こえなくなる場所迄、早く行きましょ!」
いくみが少し笑みを魅せながら歩く。
「ホント、彩希が羽角にそんな作戦を伝えていたのを知らなかったわぁ。逃げるのができなくて困っていたのよねぇ。」
朱音が羽角の隣で今回の団長を階段から突き落とす策に感心している。
「まぁ、私達じゃ勝てそうも無かったじゃない?あんな階段を登り切った場所なんかじゃ。そこで閃いたのよね、避けて落とそうって。」
なかなか彩希らしい悪巧みと云う感じでもある。
「あぁ…アタシもみんなの役に立たないと…今回は気合が入っていたのになぁ…」
「小春はそれでもよくやっていた方じゃない?キラーなんか本当に見てただけだもん。最後の美味しい所だけ取ろうと狙っていたんだよっ!」
桃!そんなに露骨に暴露しなくてもいいじゃないかっ!
別に最後のトドメをやろうとは思わなかったけれど、みんなが一斉に動き出して流れに乗れなかったのが、今回の反省なんだよな。
「キラーは時々見てる人になるよね。僕なんか、だいたい最初に狙われるのに。」
確かに毎回ハカセは狙われている気がする。
「なんか、そろそろ階段がありそうよ。私もキラーと一緒で今回は役に立たなかったから…」
すずかが先頭を歩きながら階段を探しあてた。
「さ、羽角も少しは話しながら歩きなさい!居なくなっているかと、勘違いされるよっ!」
いくみが羽角の肩をポンッと叩きながら階段に向かっていった。