103
「ほら、バカが来た!」
階段を上りきった場所でいきなり言われた。
「あっ!あの時のブタ!」
珍しく一番前にいた桃は慌てて槍を前に出す。
ハカセが一気に桃の前に行き、
「そこを退け!」
何かが吹っ切れたのか盾を構えながらオーク達に脅しをかけた。
「団長、アイツ等やっぱりバカだ!勝てる訳無いのに。」
オーク達に正面を塞がれたが、僕達もここは逃げる作戦はどうやら通用しないみたいだ。
「さて、今回は私達も少し大変な気もするけど、通り道を造らないとね。」
彩希が刀をいつもの様に地面に置いてから鞘を抜くって、ちょっと格好悪い姿からの、刀を構えに入った。
「なんか、余計な一言が入っていたけれど、オークの前に斬り落とそうかしら?」
相変わらず彩希には筒抜けである…
何故?
「なんとなく、今回があのブタ達とも最終決戦!って感じで、ワクワクするねっ!」
いくみさん?何故嬉しそうな顔してるの?
「当たり前じゃない!私ね、軽くクリスタル取っちゃって、逃げたからもし、再会したらしっかりとやっつけてやろうと……」
言ってる事が軽いのに、とんでもない悪者みたいな女だ。
ここは本当にオーク達との最終決戦の場で決まってしまったみたいだ。