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「あった!待ち伏せされていたら、どうしようかと思ったけど、居なくて良かった!」
いくみが前で騒ぎながらエレベーターの前に向かった。
「これで先ずは一安心ね。兎に角今はハカセの傷の手当を。」
朱音がエレベーターに乗り込みながら話している。
「よくさ、いきなりエレベーターが止まって、敵が来ちゃうってあるよね…」
すずかさん?怖い話をしないで!
無事に下まで辿り着きました。
「良かったわぁ…すずかがあんな事言うからドキドキしてたもん。」
僕はエレベーター内で待ち構えていた程、実は焦っていた。
ハカセの出血が思った以上に酷くて既に盾も持てない程なのである。
「先ずはハカセの治療と、私達は食事ねっ!」
彩希の言葉にハカセが……
「えっ!僕も、食事!」
うん!もう大丈夫だ。ハカセが、食欲が出ればなんとかなるだろう。
ハカセの治療は応急手当のみで、恐らく寝たら治るとの事だった。
「キラーの時も羽角の怪我も大丈夫だったからね。ここでは、普通に治るのが、不思議。」
朱音が食事をしながら言っているが、本当に治ってしまうのが不思議である。
「ま、悪い事じゃないからいいんじゃない?」
相変わらず彩希がアルコールを入れながらの寛ぎである。
「そう言えば、別のグループの人がオークに囲まれたみたい。その時に『三角帽子にクリスタルを取られた!』って言ってたみたいよ。」
いくみの言葉に……
「暫く帽子被るのやめるよ。」
僕の事だよね。僕が取った訳じゃ無いけれど…
「キラー君の帽子、目立つから!」
彩希さん?貴女が選んだのでは無かったっけ?
今はハカセの回復を待って明日から再び、今度は祭壇を探してみようとの事で、目標ができた。