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「ねぇ…あの、デカイの来る前に倒そう。」
彩希が囁いた。
「うん!アイツ歩くの遅いし。」
と、いくみが言うなり団長と言われた、オークのボスにナイフを投げつけた。
「ウッ!」
なんか、上手い具合に脚辺りにヒットした。
「私も!」
小春が弓を、
と、同時に周りのオーク達もざわついた。
「オマエ等、団長が来る前にとは卑怯だぞ!」
いやいや、わざわざ殺られる事無いだろ。
兎に角ここは団長とか言われている奴を狙いながらの、雑魚も倒すって事で、それぞれが攻撃を仕掛ける。
「水の方が威力がありそうだ。」
僕の鉄パイプを、ただ下に振り落として水の魔法を出してみた。
「アイツ、やっぱり変な奴だ。」
周囲のオーク達がざわつく中で、彩希が
「ほら、変態だって!喜べば!」
いやいや、誰も変態とは言って無いだろ!
いくみと小春、僕が団長を狙い、他のメンバーは至近距離で雑魚を攻撃していった。
「あれは、太り過ぎて歩くのが精一杯みたいね。」
朱音が薙刀で雑魚を攻撃しながら遠くを見た。
但し、徐々に近付いて来たのである。
あれだけの攻撃を喰らいながら……