175/575
95
「羽角はまともなのね!でも…なんで、棒を両手に持ってるの?」
彩希は羽角に訊ねた。
勿論いつもの様にオークと向かい合いながらなのだが。
「あっ、最初は片手に持っていたんだけれど、片手が暇かな?って…」
羽角の応えに、
「あまり、まともでも無いかもよ!」
いくみが笑みを魅せながらナイフを構えた。
「おー!アイツ等、ヤル気だ!早く食料!」
オーク達が迫ってきた。
「たまには一番に!」
僕がオークに野球の素振りから鉄パイプを振り落として火を放った。
「うわぁ!アイツ火を噴きやがる!」
オーク達に動揺が見られた。
「キラー!ズルい!一番槍!」
桃は、一番槍以外は無いみたい。
「本当に魔法使いだ!アタシもハートを射貫いちゃうよっ!」
小春も併せて攻撃をする。
完全にオークが逃げ腰である。
「さっさと、逃げなさいよっ!」
朱音が薙刀を振り上げた。
完全に優勢な状況である。
本当に早くオーク、逃げろよ!