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「えー!ほんとにっ!やったー!!」
騒いでいるのは彩希だけではない。全員だ。
「30階迄行けるって事はだいぶ上迄行けちゃったって事だよねっ!」
いくみが言っている通り、30階迄行けるとエレベーターの管理をしている兵士から言われたのだ。
「5階迄行けたグループは30階迄は大丈夫との結果が出ておりますので、ご自身達の希望でご案内いたします。」
との、兵士からの話を即答で
「じゃ!30階で!」
桃がすぐに応えてしまった。
別に行けると判断されているのだから、かまわないが…
そんな遠足気分な僕達は結局30階に昇ってきた。
「無理だと思われましたら、此方のエレベーターで戻って下さい。」
と、言われたが数組のグループも一緒に降りて行ったので、僕達も一緒に行こうかと思ったのだが……
「やっぱり、装備品がいろいろと邪魔よねぇ〜」
と、女性陣がいつもの此処に来てからの身嗜みチェックである。
「あー!先に他のグループが行っちゃったじゃんかぁ!一緒に行けば敵が出ても一緒に倒せたのに!」
僕の言葉に、
「他のグループが倒してくれるから、私達はそこを通ればいいのよっ!」
すずかがまた凄い事を言っている。
「あっ!すずかの意見に賛成!」
みんなが言うから、まぁ…しょうがないか…
30階のフロアは鉄と鉄があたる様な音が耳をすませば聞こえてくる。