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「すずか!これからもよろしくお願いいたします!」
僕はすずかの前で頭を下げた。
もう少し、彼女にも伝えておくのだったな…と、反省の意味も込めて。
「あっ!もう、解決したから!私も勝手に変な方向へ思い違いして、ごめんなさい。これからもよろしくお願いいたします!」
すずかも頭を下げた。
「ほら、二人とも!ぎこちないでしょ!私も彩希も、いくみと桃だってみんなそんなのもう一度挨拶するのなんか、本当に仲間って気がしないじゃない。気軽に言えるのが仲間って事に今はしましょ!解決したんだから!」
朱音はこんな時に物凄く機転が効いてくれるので、有り難かった。
「でもね、キラー…私、謝らないといけないの…」
すずかが先程よりも神妙な顔をしている。
「ごめんなさい!手紙見て初めてキラーの名前を知りました!」
「えー!!」
此方の方がショックだわ…
「それも、すずかってば、漢字が読めないのよ…」
朱音が笑いながらすずかを見た。
「だって、あれはアリでしょ!」
「あっ、アリは虫偏でしょ!僕はイシカワ……じゃなくて、石偏。」
くそー!自分の名前間違えるって…
「もう大丈夫よっ!よろしくねっ!イシカワさん!」
もうすずかに使われてるー
「へえー、キラーって名前じゃあないんだ!初耳!」
いきなり通りがかった桃に言われた。
「桃?忘れたのか?俺の事、キラーって読んだの桃だぞ!ついでに、自分の事、俺とか言っちゃってるし!」
僕はいろいろと動揺が隠せない。
「えっ?そうだっけ?……あ、きら、……で、キラーだ!」
なんとなく思い出してくれて良かったわ…
「ところで、すずか!桃もちゃんと言わなくてごめんなさい!」
見た目よりもしっかりしているのが桃である。
「あたり前じゃない!可愛いだけじゃ生きていけないのよ!」
なんか、桃ってあざといな。