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「わっ!ブタが鎧着て、剣持ってる!」
T字路を曲がった先に見えたのは、今いくみが言っていた光景である。
「あれ、オークってのかな?本当にいるんだ。」
桃が槍を構えながら前方を見る。
「た、た、た…す…け………」
オークに1人の男が斬られて絶命した。
「早くおろせ、まだ獲物が追加でくるぞ!」
リーダーらしきオークが別のオークに指示をしているのだが、人間を捌いているのである。
「これだけあれば暫く食べ放題ですなっ!」
笑いながら人間を捌いている光景を目の当たりにしてしまった。
「びっくりしている場合でも無いわ。まだ向こうに二人居るでしょ?助けるついでにオークも倒さないと!」
彩希の言葉に、奥に居る男女二人は兎に角助けてあげたい。
そして、奴等は僕達の存在を確認しながら一切構わずに男女二人の方へ向かって行く。
「あー!ムカつく!」
いくみがナイフわオークの一人の首筋に投げつけた。
血が吹き飛び、慌てるオーク達。
「お前等、後で捌いてやるから待ってろよ!先にコイツ等の方が弱そうだから始末する。」
なんか偉そうな奴が僕達の方へ向かって言ったのだが、待つ奴なんか居ないぞ!
「一番槍!!」
久しぶりに桃の一番槍を聞いたけれど、いくみの次に攻撃してない?
「しょうがないな、焼豚!」
僕は鉄パイプを野球の素振りからの振り落としで火を放った。
「お!ま!え!ら!殺す!!」
一斉にオーク達が此方を向いた。
「ざっと、10豚。トントンだね。」
いくみさん?肝心な時にスベってるダジャレは要らないのですけれど…