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「ねぇ〜3階って言っても何も無いよね。他のグループも言ってたけど、本当に上迄行かないといけないのかな?」
いくみが愚痴り出した。
「確かに上迄行って何も無いのなら意味も無い気もする。だって、見学じゃないでしょ?目標はあくまでもクリスタル…」
朱音も同じらしい。
「まぁまぁ、今は3階な訳だ。1階に戻るか、5階のエレベーターを利用できる様にして戻るのかは単純に考えたら5階からエレベーターの方が良くないか?」
僕は思った事を口にした。
確かに僕も上迄も行ってクリスタルが無ければここで冒険する意味と云うのの張り合いみたいのが無くなるのは判る。
「みんな飽きていたみたいだけれど、クリスタルがあるのは確かみたいわ…」
微妙に笑みを魅せながら彩希が言った。
「えっ?そんな情報何処で調べたらみつかるの?」
ハカセが驚いた声で聞くと、
「金球椿のグループが探しているのがクリスタルよ。」
彩希の言葉に、桃が
「そうだよ!タマちゃんが言ってたもん!ここの魅力はクリスタルと祭壇にあるって!」
桃も聞いてるのなら確かなのだろう。
「ところでさ、あの金球椿ってあのグループは一体何者なんだろ?」
僕のみんなへの問に、
「あの人達、相当強いわよ。簡単に言えば私達の味方では無いわ……」
すずかの一言はメンバーみんなが薄々気付いてはいたが、得体の知れないグループと言うのは確かみたいだ。
「そんな訳で、飽きるけれど頑張って5階迄は行きましょう。それで一旦帰ってからの再挑戦でもいいんじゃない?私、珍しくいくみと意見が分かれたけれど、私も少し前迄は飽きてたわ………今も飽きてるけど…」
おいっ!彩希!!
確かに飽きていると敵が出てきた時に怪我になりかねないからね。